Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

【コロナ不況】ベーシックインカムは実現可能なのか?「一律10万円給付」の今こそ考える

配信

  • この記事についてツイート
  • この記事についてシェア
BUSINESS INSIDER JAPAN

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて安倍晋三首相が発表した景気刺激策としての「一律10万円給付(特別定額給付金)」。配布の対象が個人ではなく世帯主になっているなどの批判は呼んでいるものの、所得の制限がないという点には大きな注目が集まっている。 【全画像をみる】【コロナ不況】ベーシックインカムは実現可能なのか?「一律10万円給付」の今こそ考える この一律現金給付で「ベーシックインカム導入」の議論が再度、巻き起こっている。ここでベーシックインカムの基本から最前線の議論までをまとめてみたい。

世界で広まるベーシックインカム議論

ベーシックインカムとは、「政府がすべての国民に対して、生活に必要な最低限の収入を無条件に支給する制度」だ。 もともとベーシックインカムは、2010年代に失業率が高まったEU諸国で失業手当の代わりとして注目されてきた。人工知能(AI)の発達によって産業の大きな転換が起こり、失業率が拡大するという予測の中、この社会保障制度はつねに議論を呼び起こしてきた。 フィンランド(2017年から2018年)やカナダ・オンタリオ州(2017年から2019年)などでは実証実験も行われている。 新型コロナウイルスの感染拡大により、リーマンショック以上の経済危機が起こることはほぼ確実視されている。世界各国で失業者が爆発的に増えようとしている今、ベーシックインカムが再び注目を浴びるのは必然だろう。 各国で議論は始まっている。スペインでは4月、経済担当大臣が「可能な限り迅速にベーシックインカムを導入する」と発言したと報じられた(実際には所得制限を設けた貧困層向けの現金給付であり、「条件なし支給」という定義のベーシックインカムとは異なるようだ)。 イギリスでも新型コロナウイルスに感染したボリス・ジョンソン首相が、ベーシックインカムの導入を検討すると発言している。

10万円給付の財源は?

とはいえ「無条件の現金給付」であるベーシックインカム導入のハードルは決して低くはない。もっとも大きな懸念はその財源だ。 今回の日本政府による「10万円給付」のような1回限りの現金支給を例にとってみよう。 『ベーシック・インカム入門』の著者でもある同志社大学経済学部の山森亮教授は、いくつかの政策案の中で、以下の方法が考えられるという。 「迅速に政治的合意をとるという観点からは、まず国債を発行し財源を確保した上で、新型コロナウイルスが収束してきた時期に所得税の増税などで補填するという方法が、妥当ではないでしょうか」 財務省の発表によると、国民1人に対し1回限り10万円を給付するためには12兆8803億円が必要だ。政府はすでに、そのすべてを国債によってまかなうと発表している。いずれにしても、1回の現金支給だけでも財政に大きなインパクトとなることは間違いない。 ベーシックインカムとは「一時的な給付金」ではなく、継続的に振り込まれる生活に必要なお金だ。いくら国債を発行するとはいえ、国民に一定の現金を継続的に給付する制度は、本当に可能なのか?

【関連記事】