八王子「崩落アパート」の「手抜き工事」社長は“愛人”と潜伏生活 業務上過失致死容疑で捜査中
愛人と目される女性が暮らすマンション近くの駐車場。「崩落アパート」の建築主で、目下、潜伏生活を続ける「則武(のりたけ)地所」の野口武昇(たけのり)前社長を発見したのは、10月初旬のことだった。 その女性名義の軽自動車から降りてきたところへ声をかけると、 「事件に関しては、警察の聴取に応じているので、何も話せません。被害者の方についても同様です。かつての従業員や取引先と一切連絡を断っているのは、確かに事実です。そういう人たちが、愛人のもとに身を寄せているとか、好き勝手に触れ回っているのでしょう。生活をしなければなりませんし、何らかの仕事はしています。その仕事を彼女に手伝ってもらっているから、偶々(たまたま)、クルマを借りただけです。それで、愛人関係ということになりますか!?」 今年4月、東京都八王子市内で木造3階建てアパートの外階段が崩落し、58歳の無職女性が外傷性脳挫傷で死亡するという痛ましい事故が発生した。崩落したのは、1階と2階の間の踊り場から2階通路へと繋がる外階段の一部。金具の溶接が不十分のうえ、防水工事も手抜きだった。そのため、警視庁が業務上過失致死容疑で捜査に乗り出したのだ。 (カネに振り回される人々のドラマを描く「週刊新潮」の連載コラム「MONEY」より)
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「週刊新潮」2021年10月28日号「MONEY」欄掲載