まるでオートマ! なクラッチシステムを搭載『MV AGUSTA DRAGSTER 800 RR SCS』
近年、MVアグスタのミドルクラスモデルに採用され始めた新しい機構がある。 それが「SCS」と呼ばれる自動遠心クラッチの一種だ。クラッチレバーの操作やエンジンストップの心配から解放してくれるデバイスとして人気を博し現在急速に需要を拡大している。今度は必須アイテムになるかもしれない。
疲労と緊張から解放してくれる新世代クラッチシステムを搭載 MV AGUSTA DRAGSTER 800 RR SCS
MVアグスタのニューモデル、「ドラッグスター800RRM SCS」の導入が始まっている。同車のインプレッションはこれまで幾度かお届けしているが、今回注目すべきは車名の末尾に付いた「SCS」の文字である。 これは「スマート・クラッチ・システム」の略称で、ギアチェンジをアシストしてくれるデバイスだ。もちろん、今やすっかり普通の装備になったスリッパークラッチやクイックシフターのことではない。分かりやすいバイクを引き合いに出すなら、ホンダ・スーパーカブに備わる、あの自動遠心クラッチを思い浮かべてもらえると話がスムーズだ。 というわけで、まずは操作手順を説明していこう。キーを差し、セルボタンでエンジンを始動させるところまではごく普通である。問題は次 のステップだ。 1.クラッチレバーを握る 2.ギアを 1 速に入れる 3.スロットルを徐々に開ける 4.クラッチレバーをゆっくり離す 5.車体が前進 こうした流れが一般的な操作だとすると、SCS装着車はここからいくつかの工程を省略することができるのだ。もし最短のパターンを辿るとすれば次のようになる。 1.ギアを1速に入れる 2.スロットルを開ける 3.車体が前進 というもので、これによってどれほど安楽になるかは、ライダーなら想像に難くないはずだ。もっとも、最初にギアを1速に入れる時だけはクラッチレバーを握った方がショックは少なく、機械にも負担を掛けないが、いずれにしても半クラッチの煩わしさやエンジンストップの心配 から解放され、特に渋滞時の疲労を大幅に軽減してくれる機構として、注目を集めている。
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