世界中が同じ不安と希望を共有する2021年幕開け。自由に移動できないからこそ、想像の翼を広げたい
バイデン新大統領が誕生することによって、環境問題やSDGsへの取り組みが加速し、日本にとっても中心的な課題となる2021年。 新型コロナで自由に移動ができない今だからこそ、私たちができることとは? 長野智子さんがハフポスト日本版に寄稿しました。 【文:長野智子 編集:毛谷村真木】 -------- あけましておめでとうございます。 昨年よりは少しでもよい年に、と日本のみならず世界中の人が同じ想いで迎えたであろう2021年がスタートしました。 地球規模で同じ不安や希望を共有する新年などめったにないですよね。1月20日には「分断ではなく結束」をめざすバイデン新アメリカ大統領が誕生することですし、2021年は「自分だけよければ」ではなく「異なる人にも寛容」な世界になってほしいと心から祈るばかりです。
新型コロナの影響は難民にも…
昨年の元日に私はブログで「東京五輪をめざす難民アスリートたち」について書きました。 あまり報道されていないのですが、新型コロナウイルスは難民にも深刻な影響を与えています。2020年9月時点で、世界98か国に避難している難民・避難を強いられた人たち、無国籍者のうち 247人がこの感染症で亡くなりました。 難民キャンプは居住空間が狭く「密」は避けられません。 そのほとんどが国の中心部から遠く離れた場所にあることもあり、新型コロナウイルス感染症の検査や追跡調査は困難です。うがいや手洗いといった、日本人なら幼少期から教育される当然の衛生管理の大切さも伝えていかなければならないし、そもそも清潔な水を手に入れることが大変なので十分な感染予防もいきわたらず、現地で活動する職員の負担は増える一方なのが現実です。 そんな中、自国で医者や看護士をしていた難民たち自らも積極的に予防や治療に参加して、なんとかこの窮地を乗り越えようと懸命にがんばっています。 難民アスリートの中にも、五輪の中止にともなって練習をしていた場所から難民キャンプに戻った選手たちがいます。体調管理も含めてどれほど過酷な生活を送っているのか心配でなりません。 「日本に行きたい」「夢は東京です」と話していたアスリートたち。 東京五輪がいったいどうなるのか、これを書いている時点ではまったくわかりませんが、すべての環境が整い、難民アスリートたちが日本で夢を叶える姿を見られたら、こんなに嬉しいことはありません。ただこればかりは感染症の状況次第です。もし彼らの夢が叶った日には、日本の皆さんもぜひ温かく迎えてあげてほしいと思います。