ボーイング2020年納入、エアバス大きく下回る 純受注1200機減
ボーイングは現地時間1月12日、2020年の民間機の年間納入機数が、前年比223機減の157機だったと発表した。2019年3月に発生した737 MAXの墜落事故に加え、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な流行が大きく影響し、前年の半数以下の落ち込みが続いている。 総受注からキャンセルを差し引いた「純(ネット)受注」は、1267機減のマイナス1026機。受注残は628機減の4997機となった。競合のエアバスは納入が566機(前年比297機減)、純受注は268機(同500機減)で、新型コロナが大きく影響したものの、納入・受注ともにエアバスが上回った。 機種別で見ると、737は納入が43機(前年比84機減)で純受注が1034機のマイナス(1099機減)、747は納入が5機(2機減)で純受注が4機のマイナス(4機減)、767は納入が30機(13機減)で純受注が11機(15機減)、777は納入が26機(19機減)で純受注が1機のマイナス(39機減)、787は納入が53機(105機減)で純受注が2機(110機減)となった。 新型コロナの影響により、米シアトル近郊のエバレット工場など複数の工場を一時的に操業停止。787の製造を請け負う日本の重工各社も製造を一時休止するなど、影響が世界各地に広がった。787の月産レートは、2020年4-6月期(第2四半期)に従来の14機から10機に減産。今年半ばをめどに5機に再減産を計画している。 2度の墜落事故を起こした737 MAXは、FAA(米国連邦航空局)から飛行停止命令を受けていたが、FAAは11月18日に命令を解除し、運航再開を認めた。これによりボーイングは顧客への引き渡しを再開した。
Yusuke KOHASE