海賊や密輸の監視に使われてる場所も… 世界の軍事施設5選「廃墟と化し実に奇妙な雰囲気」
一時は訓練場所や飛行場、最先端の偵察施設などとして使われていた場所もいまでは廃墟となり、実に奇妙な雰囲気を漂わせているのでした…。 【写真】不気味な雰囲気… 世界の軍事施設26選(要塞、ゴースト艦隊、地下空軍基地、掩体壕、軍事病院)
【イギリス】パーマストン・フォート
イギリス沖の島々にある要塞(ようさい)は、ヴィクトリア時代にフランス軍の侵攻に抵抗するために建てられました。その後、第一次世界大戦では防衛基地になるように再設計され、潜水艦の脅威からの防衛線として考えられていたのです。 そして戦後になると、その多くがリゾート地へと姿を変えたり、防衛基地として未だ使用されているものもあります。ですが、そのうちひとつは、島で病疫が発生した後にそのまま放置されることとなり、いまも無人地帯となっています。
【アメリカ】ゴースト艦隊
米カリフォルニア州サンフランシスコのサスーン湾には、第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争などで活躍してきた戦艦および商船が連結されたままつながれていた、国防予備船隊の基地があります。その数は一時、100隻にものぼるほどまでに…。まさにゴースト艦隊です。 これらの船は米国が有事に突入した期間中に、軍用あるいは商船が不足する事態となった場合に出動することとなる、いわばストック船でした。ですが、商用船を除いたほとんどの船はそのまま二度と活躍することはなく、ここでじっと風化していくのを待つか、博物館などに移送されるという運命だったのです。 そうして長年50隻ほどが残っていましたが、腐敗や剥がれた塗装による環境汚染が問題となり、次々と博物館や廃品業者などに引き取られていったということです。ちなみに2017年には、軍用に使われてい戦艦がすべて、廃棄処分されています。
【アメリカ】フォート・テリー
ニューヨーク沖のプラム島には、1898年に米西戦争時の防衛のため使用されたフォート・テリーがあります。 さらにそこは、第一次と第二次世界大戦でも使われました。そして防衛が不要だと判断された1969年に、プラム島動物疾病センターへと改装されたのでした。
【クロアチア共和国】ジェリャバ空軍基地
クロアチアの地下深くに眠るのが、世界大戦で使われたジェリャバ空軍基地です。 地下には戦闘機が格納され、20キロトンの原子爆弾が直撃しても崩壊しないように建てられていたのです。その建設には、なんと60億ドルが注ぎ込まれ、ヨーロッパで最も大きく高価な軍事プロジェクトのひとつとなりました。 地上にある滑走路を含め、基地の大部分は1980年代のユーゴスラビア紛争で爆破されました。この一帯に未だ残されている地雷に対応するため、現在は地元の政府により実戦訓練場として利用されています。
【アルバニア】サザン島基地
廃墟かどうかに関わらず、島に建てられた軍事基地はいくつも存在します。が、サザン島のように、旧ソビエトが兵器プラントとして使っていた地下トンネルにつながっている基地は他にないでしょう。 この島を、最初に軍事基地にしたのはイタリアでした。ですが冷戦時になると、旧ソビエト軍が利用していました。 現在はアルバニア政府が島を管理していて、観光地としてだけではなく、海賊や密輸の監視にも使われています。