今季10人が契約満了「後悔させてあげたい」 リスタートの舞台へ8人が挑戦「Jリーグやりたい」
琉球から10人が今季限りで契約満了…うち8人がトライアウトへ
2024年JPFA(日本プロサッカー選手会)トライアウトが、栃木県内で12月11日、12日の2日間に分かれて行われた。J3のFC琉球は、来シーズンへ向けてチームの大刷新を図っており、10選手が契約満了に。なかにはリーグ年間30試合に出場した31歳DF増谷幸祐、キャプテンを務めていたFW野田隆之介(36歳/24年トライアウト最年長)など主力も含まれている。10人中8人がトライアウトの場に姿を現し、それぞれ受け取った思いや、自身の悔しさを“再挑戦”の場にぶつけていた。 【動画】契約満了宣告→試合後にベンチで大号泣の瞬間「こんなの酷すぎる」 今回の出場選手は初日も合わせて2日間で93名。琉球を今シーズン限りで契約満了となった塩谷、野田、高安孝幸、石井快征、小川優介、鍵山慶司、武沢一翔、山内舟征(いわてグルージャ盛岡へ今季途中からレンタル)の8人が今回のトライアウトに参加した。琉球は金鍾成監督も今季で退任となり、新たに平川忠亮氏が就任することが決まっている。 沖縄生まれで琉球の下部組織出身の23歳DF高安は「上のチーム目指していけるように…。後悔させてやりたい」と、トライアウト後に言葉を紡ぐ。ツエーゲン金沢で4年プレーしたのち、23年に地元クラブへ完全移籍。今季はリーグ23試合2ゴールという成績残したが、チームに残ることはできなかった。「来年の監督の構想の中で、守備も結構大事にする」というクラブの方針も含め、契約満了が告げられた。 「ただトライアウトはきつかったけど、楽しかった面もありました」 心のうちにやりきれない感情も抑えつつ、高安はベテラン若手問わず集まった“チャンスの場”を振り返っている。
野田は初のトライアウト参加…戸惑いも「最初はありました」
一方初のトライアウト参加となった36歳の野田は、決断への戸惑いも「最初はありました」と明かしていた。「でも変なプライドがないのが僕のいいところでもあるので」と、明るい表情で話す。 サガン鳥栖、名古屋グランパス、湘南ベルマーレ、京都サンガF.C.とJ1クラブを渡り歩いたベテランは、直近2シーズン琉球で主将を務めた。12日のトライアウトでは相手2人を出し抜くターンから味方の得点につながるプレーを見せるなど、主将の存在感は大きく映っている。 「(琉球での3年間)苦しい時間の方が最後は多かったですけど、その中で人生として、人として成長できたかな」とこれまでをなぞりつつ、「Jリーグやりたいです」と野心を見せていた。 1日目では31歳の増谷が2度目のトライアウトに挑み、「(今季ファンの)期待に応えられなくて…自分として本当に、本当に悔しかったですね」心境を吐露している。今季30試合に出場した主力、キャプテンを務めた野田も琉球から離れ再スタートを目指す。クラブへの愛情があるからこそ、9人の戦士それぞれが“反骨精神”を見せた2日間だった。
FOOTBALL ZONE編集部・金子拳也 / Kenya Kaneko