「ほとんどはレベルが低くてくだらない」古代ギリシャの哲学者に学ぶSNSの心得とは?
SNS全盛時代の昨今、アプリを開けばデマや有名人の炎上、SNS上での醜い言い争いに目を覆いたくなることも。誰しもが当事者となり得る現代で、SNSを適切に使いこなす手段はないのだろうか。古代ギリシャのストア派の哲学者たちは、SNS社会にも役立つ名言を数多く残している。2000年前の哲学者から学ぶ、より良いSNSの極意とは?※本稿は、ブリジッド・ディレイニー著、鶴見紀子訳『心穏やかに生きる哲学 ストア派に学ぶストレスフルな時代を生きる考え方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を抜粋・編集したものです。 【この記事の画像を見る】 ● SNS上で渦巻く「怒り」が 私たちの穏やかな心をかき乱す 昨今は、何よりもSNSでの交流のせいで、私たちの安定した穏やかな心はかき乱されます。現実世界であれば、物事が展開するスピードに人間は対応できますが、ネットの世界ではあらゆることが急展開し怒りが渦巻きます。 賛成できない意見があったり、自分自身の意見に異を唱えられたり、見つけた情報のせいで怒ったり、夢中になったり、興奮したり、落ち込んだりします。このように、SNSのアルゴリズムは、何らかの反応を確実に生み出し、人の関心を掴み続けるコンテンツや映像を提示するように設計されているのです。 強烈な感情的反応を引き起こすコンテンツは、ネット上の伝播力が強い可能性が高いです。つまり、私たちがまんまとひっかかって、情熱や激情を燃え上がらせることになりやすいのです。 システム全体ができるだけ長く私たちの関心をつかまえておくよう設計されている場合、その罠に陥らないようにするのは特に難しいです。SNSの巨大企業たちは、あなたがスマホを置いて外に出かけ、友人や子どもたちと楽しい1日を過ごすのを良しとしません。 スマホやネットの画面に張りつかせること――そしてコンテンツを提供したり、反応したり、没頭したりして時間を過ごすという、いわば無報酬の労働をさせること――が狙いなのです。