ヨーカドー弘前店きょう閉店／ねぷたやグッズで「ありがとう」 47年の歴史に幕
青森県弘前市のイトーヨーカドー弘前店が29日、47年の歴史に幕を下ろす。8月の弘前ねぷたまつりで「ありがとう弘前店」と書かれた扇ねぷたを運行した団体や、弘前店グッズのカプセルトイを販売する会社の関係者は「（ヨーカドーの）ハトのマークの記憶をいつまでも残したい」と語る。 JR・駅前地区ねぷた愛好会は前身の団体が1989年にヨーカドー弘前店の協賛を受けてから、同店の店長や従業員とともに運行を続けてきた。転勤で同店を離れた人が休みを取って参加しに来てくれることもあった。「ありがとうイトーヨーカドー弘前店」と書かれたねぷたの制作に携わった丹藤幸一さん（47）は「私たちは『ねぷた仲間』。毎年参加しに来てほしい」と笑った。 会員の多くがヨーカドーとともに育った世代というねぷたの荒魂（あらみたま）＝佐藤大志会長（48）＝は、感謝を込めて前灯籠と太鼓台にヨーカドーの象徴であるハトのマークをあしらった。弘前店の前を通る時は「ヤーヤドー」のかけ声を「ヨーカドー」に変えた。佐藤会長は「ねぷたと一緒にヨーカドーがみんなの記憶に残れば、やった意味があるかな」と話した。 同市のアサヒ印刷は昨年11月から弘前店のイラストを印刷したタオルやキーホルダーなどのグッズが入ったカプセルトイを販売している。同社の齊藤元（はじめ）専務（49）は「弘前店のグッズが、（ヨーカドーのファンが）世代を超えて交流するきっかけになれば」と期待を込めた。 同社の目玉商品であるご当地グッズのカプセルトイの製作は2022年夏、弘前店から持ちかけられた。いまや全国のヨーカドー約100店舗に販売機が設置されるなど大ヒットし「商品開発などについて、厳しさも含めさまざまなことを学ばせていただいた。感謝しかない」と語った。弘前店のカプセルトイは閉店まで販売する。 弘前店の最終日の営業時間は午前9時～午後7時。店舗は10月31日にシーナシーナ弘前として開業し、核店舗のスーパー「ロピア」は、25年の早い時期にオープン予定だ。
