【最後の雄叫び】ビッグキャットのスーパーテスト「ジャガー Fタイプ R75」英国製スポーツクーペに別れを告げる
もちろん、ジャガーが最も楽しいのは市街地の外だ。曲がりくねった田舎道や、たとえばA9のアウトバーンを無制限に走ると、シームレスなレスポンスのエンジンがほとんど無限のパワーを秘めていることを感じさせ、低回転域でもトルクはすでに覚醒しており、巨大なパンチは8速ZFトルクコンバーターとほぼ完璧に連動する。必要なときには、トルクコンバーターが最も短いギアを素早く選択する。正直なところ、トルクコンバーターでこれ以上のものはない!
コーナリングはどうだろう?以前は、コーナリングはいつもちょっとクリティカルというか、競合車と同等ではなかった。特にステアリングはフィードバックと精度に欠けていた。「R75」では?最終モデルではシャシーにわずかな変更が加えられただけだったが、それは的確なものだった。確かに、ジャガーは依然として「ポルシェ 911」のハンドリングには及ばないが、フロントアクスルからのフィードバックが大幅に増え、ギア比も以前より少しダイレクトになったようだ。コンフォートモードでも、アダプティブシャシーによってかつてほどロールしなくなった。スポーツモードへの移行は白か黒かというようなものではないが、最もタイトなセットアップでは、200km/hを超えるようなカーブでもずっと快適に感じられるようになった。
しかし、ジャガーは依然としてスポーツカーというよりグランツーリスモである。「R75」は、改良されたステアリングとほぼニュートラルなハンドリング挙動により、コーナーを正確に曲がる。限界ではアンダーステアが緩やかで、荷重の変化でリアの旋回が緩やかになる。また、ESPがフルに作動している状態でも早期に介入しないため、コントーラブルだ。
計測装置が示す数字から、厳然たる事実に迫ってみよう。公式には、「Fタイプ」にはローンチコントロールが搭載されているが、DEKRAのオーバルでのテスト日には作動しなかった。問題ない。クーペは過去にもこの最新技術を必要としていなかった。低回転でプレテンションをかけ、発進する。歪みなく反応するコンプレッサーエンジンによって、ビッグキャットは文字通りスタートブロックから飛び出し、12.4秒で0から200km/hまで加速する。ちなみに、2014年に登場した「FタイプR」は、2つの駆動輪だけでまったく同じ数値をターマックに叩き込んだ。さらに印象的なのは、回転域の中心に向かって引っ張る力と弾力性だ。 減速は?ブレーキは常に良好なレベルにある。オプションのセラミックシステムが装着されていたのだから当然だ。100km/hから完全停止まで32.4メートルという純粋な数値は、このクラスでは平均的なものだ。しかし、一定のペダルトラベル、フィーリングの良さ、フェード感のなさは実に印象的だ。
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