シニア大が大鹿歌舞伎学ぶ 公演や役者体験で【長野県高森町】
長野県高森町公民館が高齢者に学びの場や生きがい、仲間づくりなどを提供する「高森町シニア大学」で12日、大鹿村に300年以上伝承される地芝居「大鹿歌舞伎」(国重要無形民俗文化財)を学ぶ講座が開かれた。大鹿歌舞伎保存会による公演の他、化粧や衣装を体験するワークショップもあり、受講生80人余が伝統芸能に触れた。 公演は町福祉センターに設けた特設舞台で行われ、演目は「傾城阿波乃鳴門 巡礼歌の段」。罪人の身から、生き別れた娘に再会するも名乗ることのできない母子の悲哀を描いた物語で、情感たっぷりの演技に会場が沸いた。 公演後に行われたワークショップでは、2人が化粧と衣装の着付けを体験。目の前で化粧や着付けが行われて「役者」に変わっていく様子に、歓声とおひねりが飛んでいた。 シニア大学の宮下洋司運営委員長は「すばらしい演技に感激した。300年も前から受け継がれる理由の一端を見ることができた」と話していた。