虚空蔵山を冒険の場に 石川県能美にアスレチック整備 造園業の村本さん、年内開設目指す
能美市国造地区の虚空(こく)蔵(ぞう)山で、自然環境を生かしたアスレチック施設の整備計画が進んでいる。造園会社を営む同市の村本宏斗さん(37)が「冒険気分で子どもたちが自然を駆け回って、思い切り体を動かせる場をつくりたい」と一念発起し、アウトドア事業を全国展開する企業の協力を得て年内のオープンを目指す。近くにはキャンプ場や散策路が整備されており、市も一帯を連動させた里山振興に期待を寄せている。 ●「自然駆け回って」 戦国期の山城跡が残る虚空蔵山(同市和気町)には市民らが整備した複数の散策路や、市が開設した「和気あいあいの里キャンプ場」があり、気軽に歩ける里山として親しまれている。 虚空蔵山の環境を知った村本さんは、アスレチック開設の適地と考え、地元国造地区の町会長らに自身の思いを説明し、賛同を得た。開設計画は国の事業再構築補助金にも採択された。 開設にはレジャー施設開発を手掛ける「冒険の森」(大阪府能勢町)が協力する。森の中にロープやワイヤ、ネットを張り、高さ十数メートルの木の上から滑車で滑る「ジップライン」をはじめ、さまざまなアスレチック遊具が楽しめる本格的コースを計画している。 18日、村本さんと同社の伴戸忠三郎社長(47)らが現地を訪れ、山の状況を確認した。雪が積もる山中を歩き、大きな木や斜面の生かし方など具体的なコース設計に想像を巡らせた。伴戸社長は「どこに何を作ればいいか考えるのが楽しい山」と印象を語った。 本設計後に建設工事に入り、年内の開所を目指す。運営は村本さんが経営する「北陸園芸」が担い、キャンプ場の管理棟やトイレ、駐車場を活用する。 虚空蔵山の散策路は市が再整備する方針で、市は新たなアウトドア施設との相乗効果でキャンプ場の利用促進や里山の機能保全、にぎわい創出につながると期待する。村本さんは「造園の技も生かして魅力的な施設にして、地域の力になりたい」と話した。