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工藤監督は報道陣の前で涙止まらず 川村さん急逝、天国へ弔いの白星

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西日本スポーツ

 ◆日本ハム4-5ソフトバンク(16日、札幌ドーム)  悲しみをこらえてグラウンドに立った工藤監督が執念で連敗を止めた。先発の二保を5回途中で諦め、早々と継投に突入。2戦連続完投負けで3日間出番のなかった救援陣を惜しみなくつぎ込み、終盤の逆転につなげた。この日、ダイエーでの現役時代から知る3軍のチームスタッフが急逝。試合前に訃報を受け取った工藤監督は弔いの白星をささげ、2位ロッテとのゲーム差を1・5に広げた。 【写真】生前の川村さん。明るいキャラクターでチームを盛り上げるムードメーカーでもあった

■試合前に訃報

 逆転勝ちで連敗を2で止めた。ただ、ベンチでナインを出迎える工藤監督の表情はこわばったまま。悲しい事実を、胸に秘めて戦っていたからだった。試合後に会見場に姿を見せた工藤監督の目は真っ赤で、既に涙がにじんでいた。「何としても、白星を天国にいる川村君にという思いでやっていた」。何とか声を絞り出すと、大粒の涙がほおをつたった。  試合後ほどなく、全員が集められてのミーティングが行われた。川村隆史3軍コンディショニング担当スタッフが16日、遠征先の神戸市内で急逝したことが報告された。同日朝、集合場所に姿が見られなかったことから球団スタッフが宿舎の部屋に出向いたところ、ベッドの上に横たわったままの姿だったという。  工藤監督は札幌市内の宿舎を出発する前に訃報を受け取ったが、試合を控える選手には伏せられた。「悩んだが試合後になってしまった。僕らはやっぱり戦っていかなきゃいけないという中で、常に思いは一つだと思っているので…」。入団してきた選手はほぼ全てが新人合同自主トレ時に指導を受けた。計り知れないほどの恩があり、思い出がある。チームのムードメーカーでもあり陽気な人柄はファンからも愛された。ミーティングでは多くの選手が涙した。  工藤監督も同様だ。「ダイエーに来たときも彼がトレーニングコーチをやっていた。(監督として)戻ってきても元気な姿を見られて、変わらず頑張っているんだなと思って一緒にやるのを楽しみにしていた」と回想した。その上で「彼の元気が僕の元気にもなっていた。こういう形でお別れしなくちゃいけないというのがつらい。きょうは試合どころではなかった」と苦しい胸の内を吐露した。

■55歳の若さで

 それでも、悲しみをこらえて必死で采配を振った。3失点で粘っていた先発の二保から5回途中で泉へスイッチ。その後は小刻みな継投で4点目を許さず、6、7回の打線の奮起を呼び込んだ。「連敗を止めるとかではなく、きょうは絶対に勝ちたかった」。大切な人にささげる勝利。それだけを見据えていた。「天国から川村君もしっかり見てくれていたと思う。力をくれたことがきょうの勝利につながったと思う」。55歳の若さで天国へ旅立った仲間を思いうつむき、また涙があふれ出た。 (山田孝人)

西日本スポーツ

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