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野生動物の食用禁止、飼育業者と動物の運命は? 中国

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CNS(China News Service)

【CNS】「売ることも殺すこともできない。毎日2000元(約3万円)は必ずかかる。収入はまったくなし。長年の蓄えも半年持つかどうか。これからどうなるのか、頭が痛い」、中国・雲南省(Yunnan)昆明市(Kunming)でニホンジカ100頭を養殖する曹永良(Cao Yongliang)さんはこう嘆く。  新型コロナウイルス感染症の発生後、野生動物をむやみに食べることや取引が公共の安全に重大な影響を与えるとして、中国では食用の全面禁止が決まった。野生動物の人工飼育は中国で長年発展し、すでに業者数1000万人、1000億元(約1兆5000億円)規模の産業に成長している。食用全面禁止により、飼育業者と動物たちはどうなるのだろう。  曹さんの故郷は遼寧省(Liaoning)鉄嶺市(Tieling)西豊県(Xifeng)、「鹿の里」と呼ばれるほどニホンジカの人工飼育で長い歴史を持つ土地だ。2019年7月時点で飼育場200か所以上、飼育頭数3万5000頭に上る。  曹さんは06年に雲南省に移住し、ニホンジカの飼育を発展させてきた。「鹿茸」「鹿骨」「鹿血」などは漢方薬、肉や筋は食用と、ニホンジカの体はすべてが宝だという。  中国工程院の発表によると、16年時点で野生動物飼育業者1408万9800人、直接的生産価値5206億1600万元(約7兆8600億円)に達していた。  感染症拡大後に行われた全国各地の詳細な調査では、野生動物の人工飼育場が15万3000か所以上、動物の種類は数百種類に上っていたという。  中国農業農村部は先月8日、「家畜家禽(かきん)遺伝資源目録(意見聴取稿)」を公布し、今月8日までに国民の意見を募り、最終目録の作成につなげる予定だ。  この目録には31種の動物が載せられ、そのうち27種が飼育、食用可とされている。27種のうち18種がブタ、ウシ、ニワトリなどの伝統的家畜家禽、残り9種にはニホンジカ、アカシカなどの特殊な家畜家禽だ。  実際、人工飼育されている野生動物の多数が目録(意見聴取稿)に入れられてはいない。  インドクジャクを飼育する馬文花(Ma Wenhua)さんは、餌代を半分に切り詰め、5000羽近いクジャクを辛うじて飢え死にさせず養っている。  馬さんは「特殊野生動物飼育創業政策支援」という国家政策を頼りにし、09年に勤めを辞め、インドクジャクの繁殖飼育事業を起こした。  市場はインドクジャクを主に食肉用として求めていた。野生動物食用禁止が決まった後、馬さんは飼育場を維持するため、親せきや友人から借金を重ね、金額はすでに180万元(約2700万円)にも及ぶ。インドクジャクの飼育コストは毎日3000元(約4万5000円)にもなるという。  国家林業・草原局は「合法的な飼育者が規定に従って休業した場合は補償の対象」とする方針を明らかにし、各地の主管部門に対して科学的根拠に基づく合理的な補償案を各地政府に出すように求めているが、今のところ出されたものは多くはない。  食用禁止後、一部の飼育場には野生動物の管理放棄やひそかな場外放出をするところが出ているという。  同局は4種の処置方式を提案している。「科学的に自然に帰す」「薬用、観賞用など非食用の用途への転換」「飼育の委託または条件が整った収容施設・保護団体への譲り渡し」という3種類の処置ができない野生動物は、直ちに「無害化処理」(防疫法にのっとった殺処分を含む一連の処理)を行うという、四つの選択である。(c)CNS/JCM/AFPBB News ※この記事は、CNS(China News Service)のニュースをJCMが日本語訳したものです。CNSは1952年に設立された中華人民共和国の国営通信社です。

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