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【Editors' Blog】映画『燕 Yan』で、思わず涙した日。

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フィガロジャポン

ずっと楽しみにしていた映画館での映画鑑賞。いまは左右1席ずつ離れて座るようになっていて、前後も1列ずつ空席がズレるよう配置されており、なんだか前より快適な環境。 おうちでニコライ バーグマンのフラワーアレンジ教室。 待ちに待った最初の映画に決めていたのは、渋谷のアップリンクで異例のロングラン上映をしているという映画『燕 Yan』。

物語の舞台は台湾。最近だと、以前連載で楽曲提供をしてくれたDos Monosが、台湾のIT担当大臣Audrey Tangとコラボした新曲「CIVIL RAP SONG」をリリースしたり、アジアのインディシーンにフォーカスした音楽ライブが開催されたりと、なんだかいま気になる台湾カルチャー。 この映画、まず注目すべきは初監督の今村圭佑さん。(本作では撮影もされています) 実はこれまでは、映画やCM、PVのカメラマンとして主に活躍されてきた方。映画では『帝一の國』、『おじいちゃん、死んじゃったって。』(2017年)、『新聞記者』(2019年)のほか、PVでは山田智和監督の米津玄師『Lemon』を撮影されています。

そんな若手トップカメラマンがメガホンを取る本作は、台湾人の母と日本人の父のもとに生まれた、早川燕(はやかわつばめ)が主人公の物語。演じるのは中国出身、大阪育ちの水間ロン。 燕がまだ幼かった頃、突然母と兄がいなくなる。その過去を抱えたまま大人になった燕の元に、ある日父から連絡が。「とある書類を届けに、台湾にいる兄まで会いに行ってほしい」。怒りとして抱えていた親や兄への感情が、実際に会いに行くことでどのように消化されるのかーー。 過去にそれぞれが抱えていた状況や想いが徐々に明るみになり、あらためて家族の再生を図っていくお話です。

兄と弟、親と子という血縁関係の中でこそ生まれる、根深い嫉妬や愛。母親は対等に愛を注いでいるつもりなのに、それを素直に受け取ることができない子どもたちの気持ちが、役者の表情やもの思いに耽る静かなシーンで描写されていて、じんわりと共感を呼び、思わず涙。。 また、本作では台湾と日本人のハーフの燕が主人公になることで、国籍や人種などの差別的な問題にも向き合います。ブラック・ライブズ・マターが記憶に新しいですが、移民の少ない日本でもこの設定であれば身近に感じることができそうです。

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