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「本番に弱い人」が共通して“心配しすぎていること”

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PHP Online 衆知

過去20年にわたって、あがり症に悩まされてきた佐藤健陽さんは、現在あがり症の専門家として、自身の過去の体験を基に「あがり症を克服する方法」を説いている。 スピーチや大人数での会議での発言は誰しも緊張するが、過度な緊張に悩まされているのであれば「あがり症」を疑うべきだろう。 本稿では佐藤健陽さんの著書『人前であがるのはしょうがない』より、本番に緊張から本当の実力を発揮できない人に向けて語った一節を紹介する。 ※本稿は、佐藤健陽著『人前であがるのはしょうがない ~あがり症を克服した僕が伝えたい魔法のコトバ~ 』(impress QuickBooks)より一部抜粋・編集したものです。

あがり症の人は「今を生きられていない」

BさんはIT企業に勤める30代の男性システムエンジニアです。あがり症があるために、人とは接さず機械を相手にする仕事に就きました。 しかし、唯一苦痛なのは、週1回金曜日に、上司に業務進捗を報告しなければならないことでした。Bさんは、金曜日に報告が終わると一時的に気持ちは楽になるものの、土日明けにはもう気分がすっかりブルーになります。すぐに次の金曜日のことが気になりだすからです。 毎週金曜日の報告に間に合うように、4、5日前から報告書を作るので、ほぼ毎日報告書のことで頭がいっぱいなのです。 私は、あがり症には「予期不安」と「事後失望」があると考えています。 「予期不安」は、まだ起こっていないことに対して「あがるんじゃないか」と、随分前から不安や緊張に襲われたり、ネガティブなシミュレーションをすることです。 「事後失望」は、起こったことに対して頭の中で何度もビデオ再生し、「あれがダメだった」「あそこはこうすべきだった」と自分にダメ出しをすることです。 つまり、本番前には未来への極度の不安と恐怖があり、本番では極度の緊張と他者の目という恐怖があり、本番後には強い後悔と失望があるのです。 これは本当に辛いですね。あがり症でない人は本番の緊張や恐怖だけですが、あがり症の人は過去も未来もあがることにとらわれています。本番だけの点ではなく、未来と過去が線でつながっていて、そのすべてが苦悩なのです。 「予期不安」と「事後失望」は、自分の頭の中だけの思考と、そこから生じる感情です。思考というよりもはや妄想に近いのですが。あがり症の人の中には、そんな思考と感情の世界にとらわれて、現実生活が疎かになってしまう人が多いです。 それゆえ、私は、あがり症の人は「今を生きられていない」と考えています。 Bさんの場合も、毎日報告のことで頭が一杯になっており、実際に、自分の仕事が終わった後も毎日会社に残って報告書を作成していました。もしその時間がなくなったなら、早めに帰宅してリラックスする時間に当てたり、家族とのコミュニケーションの時間が持てたりできたはずです。

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