ノースロップ・グラマン、仏海軍向けE-2D初号機の生産開始
ノースロップ・グラマンは、フランス海軍向けE-2D「アドバンスド・ホークアイ」初号機の生産を開始した。3機契約済みで、2027年に初号機を引き渡す見通し。 【写真】E-2Dアドバンスド・ホークアイ 米フロリダ州セントオーガスティンで現地時間12月10日に開かれた式典には、フランス海軍やノースロップ・グラマン、米海軍航空システム司令部、海軍国際プログラム室の代表者が出席。E-2Dは、25年以上運用されてきたE-2C「ホークアイ2000」の後継機で、空中給油能力をはじめ、大幅な性能向上が図られている。 E-2Dは、米海軍での初飛行から15年以上を経ても量産・改修が続いている。レーダーはE-2Cに搭載されていたAN/APS-145からAN/APY-9に更新されて360度同時監視が可能となり、グラスコックピット化や敵味方識別システムの高度化、新型ミッションコンピューター、光ファイバー通信などを採用して近代化された。エンジンはアリソン(現ロールス・ロイス)製T56-A-427Aを2基搭載している。 フランスは1998年にE-2Cを導入し、米国以外で唯一空母からE-2を運用してきた。E-2Dの採用で、フランス海軍は原子力空母「シャルル・ド・ゴール」を中核とする空母打撃群の防空能力を強化し、将来の脅威に対処する態勢を整える。 E-2Dは、航空自衛隊も防空・ミサイル防衛の要として採用。地上基地から運用してきたE-2Cの後継機として導入し、多面的な航空作戦支援に活用している。
Tadayuki YOSHIKAWA