EU加盟協議を今後4年間中断 ジョージアに広がる抗議の波
トビリシ、ジョージア、11月29日 (AP) ― ジョージアのコバヒゼ首相は11月28日、今後4年間は欧州連合(EU)加盟に向けた協議を中断することを明らかにした。 協議中断の発表後、数千人の市民が街頭に押し寄せ、首都トビリシの国会議事堂前で集会を開き、抗議の波は瞬く間に他の都市にも広がった。 これに先立ち、欧州議会は、先月のジョージア議会選挙は自由でも公正でもなく、民主主義が後退し続けていることの新たな表れであり、その責任は与党「ジョージアの夢」にあると非難する決議を採択した。 EUは、徹底した国際的監視の下、独立した選挙管理機関による1年以内の議会選挙の再実施を求めた。 そのEUは6月、ジョージアの加盟手続きを無期限に停止した。同国議会が、海外から20%以上の資金援助を受けている団体を「外国の利益を追求する団体」として登録することを義務づける法律を可決したためで、これは政府に批判的な団体の信用を失墜させるために使われるロシアの法律と似ている。 12月で6年の任期が切れるズラビシビリ大統領は、議会選挙の公式結果を拒否し、議会の正当性を認めようとしない。 同大統領は国民への演説で、加盟交渉の中断はジョージアを欧州からロシアに向かわせることを目的とした「クーデター」だと非難。 さらに、政権与党が「われわれの未来、われわれの社会の未来、そしてわが国の未来に戦争を仕掛けている」と非難した。 ズラビシビリ大統領は一般投票によって選出されたが、ジョージアは憲法改正を承認し、大統領の直接選挙を廃止し、国会議員、市議会議員、地方議会議員で構成される300議席の選挙人団による投票に切り替えた。 政権与党「ジョージアの夢」は27日、53歳の元サッカーの代表選手でプレミアリーグの選手でもあるミハイル・カベラシビリを大統領候補に指名。 与党が支配する選挙人団による12月14日の投票に勝利することはほぼ確実だ。 (日本語翻訳・編集 アフロ)