シドニー五輪銀、永田克彦さんが語る『本物の筋肉』とは
「本気の筋肉づくりを目指しています」 柔らかな笑顔で、新ジムのオーナーはそう語った。 シドニーオリンピック、レスリンググレコローマン69kg級銀メダリストであり、アテネオリンピックにも出場、さらには47才となった現在も現役を続けるアスリート、永田克彦氏が新たに設立した新ジム『MUSCLE-WIN(マッスル・ウィン)』。今月、オープンを迎える筋肉トレーニングジムへの自身のこだわり、お客様へメッセージ、さらには筋肉についての想いなどを語ってもらった。
新ジムへ込められた思い、こだわりとは
はじめに、ジムの名前『MUSCLE-WIN(マッスルウィン)』に込められた意味、そしてその背景を聞いた。 「機能的な筋肉づくりを応援、指導するジムとして願いを込めています。 僕自身、競技生活の中でも筋肉トレーニングは欠かせないものでしたし、一般の皆様の筋肉作りを応援したいという意味もあります。鍛えることで、日常生活、人生において“勝つ”ということに繋がってほしいと思っています。 僕の名前にも『克』の文字があります。『レッスルウィン』(永田氏による2010年オープンの格闘スポーツジム)というもう一つのジムもあり、(ジム名にある)『ウィン(Win)』は単に勝ち負けだけでない、レスリング、トレーニングを通して自分に、そして人生に「勝つ・克つ」という意味もあり、好きな言葉なんです」
新ジムの大きな特徴といえるのが『フリーウェイト』だ。多くのトレーニングジムで設置されているような設備、マシンは置かず、ダンベルやバーベルのみでのトレーニングを行い、一般的なジムとは一線を画すスタイルと言って良いだろう。そこには永田氏本人の強いこだわりがあった。 「僕自身、フリーウェイトだけでトレーニングしてきましたし、フリーウェイトだけのジムは少ないんですよね。フリーウェイトだけで十分鍛えられるし、ボディメイクでの効果や競技成績も上げられます。 一般の(マシンを置いた)ジムでは、思い切りフリーウェイトでのトレーニングを行うとなると、どうしても肩身が狭く感じる部分もあり、ある意味ではマニアックでもある。 だからこそ、『本気の筋肉作り』を応援するためにもフリーウェイトのみとしました。他のジムではなかなか無い、リフティング・クイックリフト(バーベルを持ち上げ、床に下ろす)のプラットフォーム(リフティング専用の床)も取り入れています。僕自身も好きなトレーニングですし、それらを自由に『ガンガン』と行うことが出来るのが新ジムの大きな売りですね。」 動きの軌道が決まっているマシンでのトレーニングとは逆に、自由な可動域を活かして、角度を少し変えることで様々な効果を得られるというフリーウェイト。もちろん、トレーニングのサポートへの意識も強い。 「フリーウェイトって、物凄く鍛え上げられる反面、リスクもあるんですよね。正しいフォームで行わないと、効果が上がらないだけでなく、怪我に繋がったり、逆に動きが悪くなったりもします。だからこそ、自分が長年、培ってきたやり方をしっかり伝えていきます。」