同じS20型エンジンを搭載する フェアレディZ432に試乗!|松田次生のエンジョイハコスカGT-Rライフ【第4話】
ニスモのエースドライバーであり、生粋の日産党でもある松田次生さん。ハコスカGT-Rを手に入れて以来、どっぷり旧車の魅力にハマっている様子。今回はGT-Rのメンテナンスなどをお願いしている「プリンスガレージかとり」におじゃまして、貴重なフェアレディZ432を試乗。国内屈指のトップレーサーの評価はいかに!? 【画像30枚】松田次生選手が旧車にハマるきっかけにもなったS20型エンジンを搭載したZ432 【同じS20型エンジンを搭載するフェアレディZ432に試乗! 松田次生のエンジョイハコスカライフ04】 日本を代表する名車の1台として旧車ファンを魅了するS30フェアレディZ。そのトップグレードであり、レースへの参戦をにらんで開発されたz432は、生産台数約450台という貴重なモデル。心臓部にはハコスカGT‐Rと同じS20型ユニットがおさまる。4バルブ、3キャブレター、2カムシャフトに由来して「432」と命名されたのは、あまりに有名な話だ。そんなZ432は松田次生さんにとっても特別な存在だという。 「ハコスカGT‐Rと同じエンジンを載せているなんて、マニア心をくすぐりますよね。実は数年前、座間のヘリテージコレクションで初めてZ432を見た時に、S20型のサウンドを聞かせてもらったのが、GT‐Rに興味を持ったきっかけなんです。レーシングカーのようなサウンドに驚きました」
松田さんの旧車ライフのきっかけとなったクルマがZ432だったのだ!
松田さんの旧車ライフのきっかけになったZ432。だから、ステアリングを握るこの日を楽しみにしていた。 試乗するのは、1969年式、車台番号20番台の初期モノ。走行距離は6万km台で、エキマニやマフラーを社外品に変更しているが、ほぼオリジナルスペックで、貴重なZ432R用純正オイルクーラーも追加している。そんなコンディション良好なZ432だが、特筆すべきはエンジンだという。 「真偽は定かではありませんが、このZ432には珍しい『K3R』ヘッドが搭載されていて、レース用に試作されたヘッドなのではないかということです。実際にエンジンの吹け上がりがノーマルとは明らかに違うほど軽いですね」とプリンスガレージかとりの香取孝さん。そうした説明を受け、ますます期待も高まる。さっそくセルを回してエンジン始動。近くのワインディングに駆り出した。 「7000rpm前後まで一瞬で吹け上がります。今まで乗ったことがないレスポンスのよさ。あまりに反応がよすぎて、街中でヒール&トゥをしたら吹けすぎてしまうくらい。自分のGT‐Rと同じS20型なのに、これほどフィーリングが違うのかと驚きました。ホント、レーシングカーに近い感覚です。しかも、アクセルを踏み込むほどに回転が伸びていく。街中なので自制しましたが、サーキットなら一体どこまで回るんだろう……」と、試乗を終えて、興奮冷めやらぬ様子。
Z432の魅力はその流麗なフォルムもさることながら、一番はやはり走りなのだ
走りについては、GT-Rと比べてZ432のほうが、軽快感があるように感じたそうだ。ただ、エンジンのデキがあまりにもよすぎるのか、シャシー剛性については少しモノ足りない印象とのこと。タワーバーやロールバーなどで剛性を高めれば、バランスがよくなるんじゃないかなと話す。Z432の流麗なフォルムだけではなく、その走りにも魅了された試乗となった。 初出:ノスタルジックヒーロー vol.199 2020年6月号 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部
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