小倉智昭さん 病魔と闘う中で後輩へ命のメッセージ「悪いことは言わない。たくさん遊んでおいて」
フジテレビは14日、9日に膀胱(ぼうこう)がんのため77歳で死去したキャスター小倉智昭さん「小倉智昭さん追悼特別番組」(後3・00)を放送し、小倉さんからの命懸けのメッセージを紹介した。 【画像あり】 土屋太鳳 小倉智昭さんから贈られた“あいうえお作文” 小倉さんは1999年から2021年まで22年間、同局系情報番組「情報プレゼンター とくダネ!」でキャスターを務め、同局の朝の顔として長年、活躍した。 今年5月には、77歳の喜寿のお祝いが開催され、番組ではその模様を公開。出席者を前に、小倉さんは「皆さんに集まってもらって、こんな素敵な会があって、生きていて良かったなと思います。次は80ですか」と目標を語った。笑いと激励の声が起こると、「今はみんな笑っているけど、年を取ったらどれだけ苦労するか分かるようになりましたから、生きている間は本当に悪いことは言わない。たくさん遊んでおいて下さい」と、ユーモアを絡めながら呼びかけていた。 最後のテレビ出演となったのは、11月23日放送の同局系「小倉ベース」。ゲストに「EXILE」HIROを迎え、「いつもと違って何聞いてもいいの?」と問いかけた。「何を聞いても全然。もちろんカットもできるし」とかわそうとするHIROに、小倉さんは「カットはダメだよ。俺の番組だから編集させないよ?」とジョークまじりに“小倉節”を披露していた。 最後は自宅で、さゆり夫人や愛犬に見守られながら息を引き取った。小倉さんは生前、闘病生活を通じて「女房との関係は前より密になった。毎日LINEのやりとりを何回もするし、一緒に買い物に行ったり。この間なんか久しぶりに手をつないで歩きましたよ」と夫婦関係の変化を告白。「これも新たな発見だし、いいもんだなと」と、最愛の妻との日々をうれしそうに語っていた。 番組では、「とくダネ!」での印象的な場面や、同局に残るアーカイブ映像、未公開映像とともに、ありし日の小倉さんの活躍を回顧。五輪を精力的に取材する様子や、俳優の田村正和さん(故人)、女優の吉永小百合、元ビートルズのポール・マッカートニーら、国内外のスターにインタビューする模様も紹介された。 小倉さんは16年5月に膀胱がんを公表。同月に内視鏡手術でがんを切除したが、全摘はしなかった。病状は進み、18年夏、生放送直前に膀胱から大量出血。同年秋に全摘手術を受けた。その後、21年秋に肺転移が見つかり、23年には腎盂(じんう)がんと診断され、左の腎臓の全摘手術を受けた。入退院を繰り返しつつ仕事にも励んでいたが、11月には骨盤や腰椎、髄膜にも転移が見つかり、今月に入り体調が急変した。葬儀は家族葬で行い、後日「お別れの会」を予定している。