【阪神C】関東馬8勝、前走GI組6勝 狙うならサウンドキアラ! 当日まで覚えておきたいデータとは
関東馬が大活躍も……
2006年に創設された阪神カップは年末という施行時期もあるが、古馬GIIとしては貴重な定量戦であることが大きく影響し、例年豪華メンバーが顔をそろえる。 【朝日杯フューチュリティステークス 2020最終予想】東大・京大式!重賞未勝利でも本命!狙うべき穴馬とは? 古馬GIIの定量戦は意外にもほかに札幌記念のみ、マイル以下では収得賞金や重賞勝ちによる負担重量の加増がない貴重なレースである。関西圏で行われる年末の大一番について過去10年間の傾向をもとに分析してみる。 関西圏の重賞でもマイル以下であれば、関東馬が奮闘するケースは多くみられる。だが、阪神Cはかなり顕著で関西馬120頭出走で2勝に対し、関東馬は53頭出走で8勝と圧倒的。勝率は関西馬1.7%、関東馬15.1%、複勝率も倍近く開きがある。 今年の想定では関東馬は例年以上に少ないようだが、いやいやデータは少数精鋭の関東馬を甘く見るなと示唆する。 多士済々な関西馬に入っても、上位人気にしっかり推される関東馬はむしろ狙い。関東馬の人気順別成績で5人気以内は【6-2-1-7】勝率37.5%、複勝率56.3%。ステルヴィオやマルタ―ズディオサが5人気以内であれば、飛びついてもいいかもしれない。 なお、関東馬で8人気馬が【2-0-0-1】となぜか驚異的。今年は該当馬がいなさそうだが、隠れデータとして覚えておきたい。 4歳が【1-2-3-23】勝率3.4%と勝ちきれないものの、ほかの世代は大きな偏りがない。複勝率ベースでは4歳も20.7%なので嫌うことはなさそう。 ただ、主力世代ではない6歳【3-1-1-33】や7歳【1-1-1-17】まで好走馬を出している点には注意。冬は高齢馬という格言もある。ベテランを早計に見限るのは危険だ。
マイルCS組であえて狙うならサウンドキアラ
ではここから具体的に戦歴を分析しつつ、好走馬の傾向を深掘りしていくことにする。 定量戦だからこそ前走格上のレースに出走した馬が強く、前走GI組が【6-8-5-50】勝率8.7%、複勝率27.5%でトップ。GII組は【1-0-1-13】で、GIII組【1-1-2-29】と変わらない。 GI組とそれ以外の重賞組には、やや隔たりがあるようだ。マルタ―ズディオサ(秋華賞7着)が当てはまるが、ステルヴィオの前走はGIIスワンS。やや不安材料か。 主要路線はマイルCS【4-5-4-33】、スプリンターズS【1-1-0-13】。その他からは、NHKマイルC(19年1着グランアレグリア)やフェブラリーS(10年2着レッドスパーダ)、秋華賞(19年3着メイショウショウブ)なども好走馬を出しているが、どれも1頭ずつ。 マルタ―ズディオサが想定にいるので、例外的なローテには注意しつつ、やはり主要ローテから探っていきたい。 マイルCSでの成績と阪神Cの関係を調べる。マイルCSの着差別で阪神Cの成績をみると、1秒9以内の敗退であれば巻き返してくる。1.0~1.9秒負けは【0-4-0-10】。阪神C5、14、10、3人気で2着と穴気配十分だ。 想定では、1秒4負けのブラックムーンが該当する。大敗でなくても、0秒9以内負けはトータルで【4-1-4-21】と巻き返し必至だ。2着インディチャンプは当然ながら10着サウンドキアラまで当てはまる。 インディチャンプ、サウンドキアラ、ブラックムーンの3頭が残るが、さらにそれを脚質別成績で絞り込む。 インディチャンプが該当する先行は【1-3-1-9】、複勝率35.7%で連軸向き。サウンドキアラの中団は【3-1-3-10】、勝率17.6%、複勝率41.2%なので連軸向きでもあるが一発の可能性を秘める。ブラックムーンの後方は【0-1-0-9】とやや厳しい。 アタマ狙いならサウンドキアラ、手堅くいくならインディチャンプだろうか。さてステルヴィオはどうするか。当日までじっくりと考えたい。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。YouTubeチャンネル『ザ・グレート・カツキの競馬大好きチャンネル』にその化身が出演している。
勝木淳