善意の雪かき広がる 金沢・幸町の市道
警報級の大雪が一段落した12日、金沢市内ではまだまだ生活道路に雪が残り、住民が雪かきに追われた。幸町の市道では、住民が近くのスーパー「マルエーミニ幸町店」に道路の雪かきを依頼。隣接するデイサービスセンター「朱鷺(とき)の苑(えん)幸町」と県幸町庁舎の県金沢県税事務所ら6団体も加わり、約50人による雪かきの輪が広がった。
犀川大通りの脇道となる市道は午前9時ごろ、慶覚寺前でトラックが立ち往生し、住民が救出した。住民は車がスムーズに通れるように雪かきを試みたが、平日で人手もいなかったため、近くの事業所に依頼、事業者側も快く応じた。
スーパーの店員やデイサービスのスタッフ、県幸町庁舎内の県金沢県税事務所の職員らが正午ごろから、スコップで約30メートルに渡って除雪した。午後3時ごろには車がすれ違える道幅を確保した。
県建築住宅センター、県消費生活支援センター、県国民健康保険団体連合会、県市町村職員共済組合、県後期高齢者医療広域連合も協力した。
雪かきを依頼した幸町百親会町会長の伝田正博さんは「住民の生活に必要な道路。協力してくれた方々に感謝したい」と語った。
県金沢県税事務所の西田辰巳次長は「明日も雪かきに協力したい」と話した。加賀市出身のマルエーミニ幸町店長の川畑雅裕さんは「こっちに来たばかりですが、大雪で金沢の人たちの温かさに触れました」と笑顔を見せた。
12日は市の「学生等雪かきボランティア協定」に基づく今季初の出動があり、大学生らが田上小、杜の里小の通学路で除雪に汗を流した。田上小周辺ではスポーツ地域振興グループ「クラブぽっと」の学生らがスコップで雪を取り除き、児童とあいさつを交わした。
協定を結ぶ田上校下町会連合会の上田幸男会長は「久しぶりの大雪で住民だけでは限界があり、本当に助かった」と話した。杜の里小周辺では、金大の「ぽちぼらサークル」の学生5人が活動した。
北國新聞社