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東京の家賃3万アパート生活でわかった「衣食住」の必要十分条件

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アーバン ライフ メトロ

東京は「高い」!

 地方に比べて、圧倒的に物価の高い東京。私たちは何に対してお金を払っているのでしょうか。その代金、本当に納得して払っていますか? 東京で週休5日・年収90万円という「隠居生活」を実践した大原扁理(おおはら・へんり)さんが、東京における「衣食住」の価値について問い直します。(構成:ULM編集部) 【調査結果】貯金10万円以下の人って、「月収」はどのくらい?(9枚) ※ ※ ※  東京は物価が高い、というのは地方出身者の誰もが感じることですよね。生活の基本的なことでいうとわかりやすいので、ここでは「衣食住」を例に挙げてみます。  衣類も、スーパーやレストランも、家賃も、平均的にやっぱり高め。上京してきたばかりで杉並区に住んでいたころは、「東京だからしょうがない」とあきらめて、東京の「言い値」に何の疑問も持たず、あるいは疑問を持つ余裕もなく、お金を払い続けていました。

東京はなぜ「高い」のか

 当時の家賃は北向きの4畳半で7万円。もはや家賃のためにあくせく働いているような状態でした。  1年半ほどそんな生活が続いたころ、なんと郊外の国分寺市に、2万8000円という激安アパートを発見。高い家賃を払うのがあほらしくなってきて、さっさと引っ越してしまいました。  すると、ずいぶん生活が楽になり、「それにしてもなんであんなに高いんだろう?」と、少し離れたところから物価の高さを全体的に眺められるようになっていったのです。

「本来の価値」とは何か考えてみる

 よく考えたら、東京といっても、コンビニや本屋、ユニクロなどのチェーン店は基本的に全国同じ値段だし、私が住んでいた国分寺の農家にある野菜の無人販売所なんて、田舎のスーパーよりも安いこともある。  家賃だって、田舎のほうは家族向けのアパートが多いから、どうしても都会の小さなひとり暮らし用アパートよりも高くなりがちです。東京だからといって、何でもかんでも高いわけではないんだな……。  そうなると、「東京だから高い」では済ませられなくなってきます。そんなに単純な問題ではないのかもしれません。  では「東京の高い衣食住」は、いったい何にそんな値段がつけられているのか。  私なりに考えてみると、田舎では、「衣食住」が「本来の意味」に近い形で存在していたと思う。  本来の意味とは何かといえば、読んで字のごとく、「衣」は身に着けるためのもの、「食」は食べるためのもの、「住」は住むためのもの。「衣食住」にそれだけを求めるなら、そんなに値段はつり上がらないものなのかもしれない。  でも東京では、本来の意味だけでなく、いろんな価値がくっついていると感じます。  ぱっと思いつくものだと、例えば「衣」には流行やブランド、おしゃれ、マナー、思想など。「食」には社交、つながり、居場所、また外食時には他の誰かに代わりに作ってもらうこと。「住」なら資産、ステータス、あこがれなどでしょうか。 「東京だから高い」のではなく、東京ではもともと田舎にはない、あるいはあっても小さくて目立たないところに価値を与え、それが値段の高さに反映されている。そう考えると、すっきりと納得できたのです。

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