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菊池久志&岡田晋「背景は本当に全部リアル」“6年がかり”で制作した映画の撮影秘話を明かす<Interview>

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ザテレビジョン

スケートボーダーたちのリアルをテーマにした映画「STAND STRONG」が7月24日(金)に公開される。 【写真を見る】幼なじみならではの空気感でトークを繰り広げた2人 キャッチコピーでもある「これは、俺たちスケーターの物語」が示す通り、スケボーに魅せられた主人公たちのリアルな生き様が描かれていく本作。監督と脚本を務めたのは、国内外のCMやミュージックビデオなどの演出を手掛けてきた菊池久志、原作とプロデュースはプロスケーターの岡田晋だ。 幼なじみでもある2人によって、本作がどのようにして生まれたのか、また撮影の様子などを菊池と岡田に聞いた。 ――どういうきっかけでこの作品が生まれたのか、教えてください。 岡田晋:元々僕が10年くらい前にWEBメディアで1話読切のスケーターの物語(『プロになりたいAくんと、スポンサーが欲しいBくん』)を書いていて、それがこの映画の原作です。その頃は全然映画の話とかはなかったんですが、今から10年くらい前に菊ちゃん(菊池)と再会して、2人の中で「スケートボードの映画を撮りたい!」ってなって、僕の原作をもとに菊ちゃんが脚本を立ててくれて、6年がかりで作ったのがこの「STAND STRONG」です。 菊池久志:今だからできた映画ですね。もっと時間がかかったらできないし…。 岡田:そうだね、お互いのタイミングが合ってたよね。 菊池:本当に良いタイミングで再会したプロスケートボーダーと、映像作家によって作られています。それに晋くんの持っていた原作が、いろんな意味でスケートボーダー以外の話でもあると思って。「光」と「影」というか、成功したらこうなるっていう人やそうじゃない人…を描いている作品ですね。 岡田:僕はありがたいことにスケートボードに関わること、例えばブランドとか大会とかいろいろなことをやらせていただいていて、次は自伝を書籍化するか映像化するか、もっと「スケートボーダー」という存在や良さを多くの人に知ってもらいたと思っていて、そのタイミングと菊ちゃんと会うタイミングがよかったよね。それでも6年かかったけど(笑)。 菊池:そうだね、かかったね(笑)。 ――原作はイメージした人がいたんですか? 岡田:全然その時は考えてなかったです。そもそも原作はA君、B君で2人しかいなくて。映画で言えばKとRYOだよね。うまくいく人とちょっとのズレで駄目になっていってしまう人…スケートシーンをずっと見ているとやっぱりそういう人っていっぱいいるんですよね。 きっとどの業界でもそうだと思うんですけど。2人を4人のチームにしようっていう話は、脚本ができてからの監督とのディスカッションの中で生まれましたね。 ――4人を選んだのはお2人で?またその理由は? 岡田:4人は僕が全部選びました。今のスケートシーンの中で目立つ子たちで、かつ脚本のキャラクターに合う人など、いろいろな角度からバランスをとって選んでいたらこの4人になりました。 ――他の人には声掛けせず? 岡田:かけなかったですね。でも最初は僕たちの考えや熱量が伝わらなくて、3・4回振られた子もいましたね。大作(日高大作レイ)なんて、「やります!」っていった2日後に「やっぱり辞めます」って言ってきたり(笑)。 ――大作さんっぽいですね(笑)。 岡田:そうそう。それに涼(佐川涼)なんかも、断られちゃって。 菊池:「映画って大変って聞いたので…」って自信ないって言ってたよね。 岡田:そうだね。今までの僕だったら1回断られたら、変なプライドもあって「じゃあいいよ」って別の人を探してたと思うんですけど、でも今回はどんなに考えてもこの4人がめちゃくちゃ理想に近かったので、珍しく何回も口説きましたね。 特に涼と大作は何回も。海斗(中田海斗)と崇(松本崇)は結構早かったですけどね。 ■ 菊池「クラブでもめるシーンとかは手本を見せましたね」 ――本編では演技というよりも彼らの素の部分が出ていたのかなと思いますが、その中で演技指導などはされましたか? 菊池:そうだね、クラブでもめるシーンとかは僕が1回手本を見せましたね。最初は照れくささがあったけど、でも途中からは4人とも役に入ってましたね。何カットも撮り直したシーンもあったけど。 岡田:僕から見ると、かける言葉を選んでいたよね。普通の役者さんならストレートに伝えればいいんだろうけど、そもそも彼らは役者じゃないからすぐに改善できないし。ある種遠回りの言い方で、彼らの素の動きが菊ちゃんの思う「ライン」に乗るのを待っている感じがしましたね。 菊池:あと、コール&レスポンスで演出もしたね。僕が最初こう言ったら同じように言わせる。そもそも芝居をつけてテイクを重ねられないので、彼らがしゃべっているシーンでは2カメで撮ってるんです。切り返すことができないから。一応彼ら用に準備はしておきましたね(笑)。 ――スケートのシーンももちろんですが、音楽もすごく印象的でした。これもお2人で決められたんですか? 菊池:そうそう。最初僕がリファレンスでありものの音楽を充てていて、「ここはこういう雰囲気だよね」とかって話し合ってね。 岡田:でも、仮の音楽がめちゃくちゃ有名のいい曲をバンバン充てて(笑)。そりゃいいよねって(笑)。 菊池:そうだったね(笑)。全体の音楽はもちろん今活躍されている方の音楽も使っているけど、映像・演出的な部分の音楽では、ビート的、躍動的な部分はLIBLOくんにお願いして、感傷的な、エモーショナルな部分は、GOING UNDER GROUNDの松本(素生)くんにお願いして。 岡田:結構多大に協力してもらったよね。 菊池:そうだね。あと一番好きなのは、3年前を振り返っているシーンに流れる音楽です。あれは僕が鼻歌で歌ったものを送って作ってもらいました。 ――特に力を入れたシーンはありますか? 菊池:仮想現実の部分かな。 岡田:そうだね。プールに落ちるシーンは、本当にいいコントラストになったよね。菊ちゃんも潜ってたし、海斗も何回も沈んでたね(笑)。 ――でもあのシーンのおかげで、よりKの気持ちが分かりますよね。 菊池:そうだね。あと何度も階段で技にトライする涼も見てほしい。本当は最初脚本に入っていなくて。失敗しても何度も繰り返しやる部分に撮影中すごくグッときちゃって。 岡田:撮影時間もあんまりなくて。あれはハードフリップっていう技に挑戦してるんですけど、あの階段の高さとかでその技を決めるのは、プロのスケーターが見ても「すごい技を決めた!」って思うくらいの技で。 最初はもっと簡単な技にするかって話もあったんですけど、どうしても僕がこの技じゃないとだめだ!って譲らなくて。 菊池:ずっと言ってたね(笑)。 岡田:ここで簡単な技をやっちゃうと、もうこの映画の意味がなくなっちゃうからこの技にして!って。涼にもかなりプレッシャーかけちゃって(笑)。でも、涼も「やります!」って言ってくれて。 菊池:本当に乗るのかな?って心配してたんだけど。でも涼が失敗してから次トライする時に「次乗ります!」って言うの。それがすごくて。簡単に言えないことなのにそういえる涼がすごかった。 岡田:僕からするとあのシーンに、「これがスケートボードなんだ」って部分がギュッとつまってるんです。 ――最後に、公開を楽しみにしている読者の方へ一言お願いいたします。 岡田:これは出てくる4人だけ物語の中を進んでいますが、背景は本当に全部リアルなので。大会も出てくる人たちも本当のプロスケーターの方なので。これをスケートの攻略本として見てもらえたら。 菊池:そうだね、バイブルに。あとこの映画をみて「恋したいなーー!」って思ってくれたら…。 岡田:思わないでしょ(笑)。(ザテレビジョン)