【北京＝三塚聖平】中国人民銀行（中央銀行）は27日、主要な政策金利と位置付ける金融市場に資金供給する際の7日物の短期金利を同日から0・2％引き下げ、1・5％とした。金融機関から預金の一定割合を強制的に預かる預金準備率も同日に0・5％引き下げた。 中国経済を巡っては、不動産価格の下落が消費を冷やす逆資産効果を生じさせ、内需低迷が生産の低迷につながる悪循環に陥りつつあるとの指摘がある。今年の経済成長率目標「5％前後」の達成を危ぶむ見方も強まる中、中国共産党指導部は景気対策を一段と強化する姿勢を示した形だ。 7日物金利を引き下げるのは7月以来、2カ月ぶり。中国メディアは、今回の措置により1兆元（約21兆円）の資金が市場に供給される効果があると伝えている。 人民銀は今月24日に7日物の短期金利の引き下げなど大規模な金融緩和策を行うと表明していた。その際、実施日は明らかにしていなかった。 中国共産党は26日に中央政治局会議を開き、現在の経済情勢について協議した。会議は習近平総書記（国家主席）が主宰し、今年の経済成長目標の達成に向け、積極的な財政政策を推進するといった方針を打ち出した。中国メディアによると、経済に関する政治局会議が9月下旬に開かれるのは珍しいという。