広瀬香美「YouTubeは嘘がバレてしまう場所」 人気の“歌ってみた動画”で巻き起こした笑顔の連鎖
90年代に「ロマンスの神様」「ゲレンデがとけるほど恋したい」など数々のヒット曲を生み出し“冬の女王”と呼ばれた広瀬香美が、今年“YouTubeの女王”として再ブレイクを果たした。3月にアップされた最初の“歌ってみた動画”(米津玄師 / Lemon)は1週間で100万回以上再生、以降も多くの楽曲をカバーし反響を呼んでいる。 広瀬の歌ってみた動画といえば、持ち前の歌唱力とピアノ演奏力を活かしたオリジナリティ溢れるアレンジが魅力。さらに「チョップ奏法」「ヒジ打ち奏法」など独創的な演奏方法を打ち出し、視覚にも訴えるパフォーマンスを楽しむことが出来る。再び大きな注目を浴びることとなった2020年。広瀬にこの1年を振り返ってもらった。
YouTubeは嘘がバレてしまう場所
コロナ禍で自宅で過ごす時間が長くなり、YouTubeを視聴する機会は増えた。そんな中で、始まった広瀬の「歌ってみた動画」は瞬く間に大きな話題に。世間の反響について聞くと、「ビックリしました」と笑う。 「元々“歌ってみた動画”には乗り気ではなかったんです。けど、今年は自粛期間があり、時間もあったので、スタッフの提案を受けて“やってみようかな”という気持ちから始めました。まさかこんなに反響をいただけるとは予想出来ませんでしたね。言ってしまえば昔から私が行っていた“遊び”をYouTubeで披露したら、世間にとっての“面白い”になった。本当に何がウケるかわからないものですね」 広瀬の動画を見ていると音楽を奏でる喜びや、エモーショナルな部分が画面を通じて伝わってくる。そんな広瀬はYouTubeというプラットフォームを「嘘がバレてしまう場所」と考えている。 「YouTubeは視聴者の皆さんとの距離が近い。例えば、あまり好きではない楽曲を取り繕って歌ってもそれは見ている人に伝わってしまいます。なので、必ず動画で披露する楽曲は自分の中で一旦消化して、音楽的な喜びを感じたもの選んでいます。その上で“見ている人を楽しませる”というのを心がけてます」 YouTuberとしての活動が大きな注目を集める中で、広瀬は自身の立場にも変化を感じたという。「最近は街で20~30代の方に『YouTube見ました』と声を掛けられる事の方が多いんです。90年代のJ-POPを通っていないような方に知ってもらえて、改めてYouTubeの影響力はすごいんだと思いました」と明かした。 ライブ会場の客層にも影響があった。「夏にツアーを開催した時、客席にはこれまで見たことのないような若い方もいらっしゃいました。それはやっぱり喜ばしいことですよね」と微笑む。