「たれの素」昭和の味とラベル再現 お惣菜とお食事の店ヤマキチ(山辺)10日発売
山辺町のみそ醸造も手がける「お惣菜(そうざい)とお食事の店ヤマキチ」(庄司雄介代表)は、鍋のつけだれや納豆のたれなどとして使えるだし入りしょうゆ「たれの素(もと)」を10日に発売する。昭和期のラベルと味を再現し、商品として復活させた。 ラベルは庄司代表(54)が昨年末、資材置き場となっている同店の蔵2階で見つけた。商品名「たれの素」や、しょうゆを意味する「こい紫」などの文字、3桁の電話番号が印刷されており、一部に変体仮名も使われている。母良子さん(78)に確認すると、1945(昭和20)年ごろから販売していた商品の物だと分かった。 たれの素は現在で言う万能調味料。今でこそニーズの高まりを背景に多様な商品があるが、当時はそう多くなかったとみられる。鍋物や煮物などに手軽に使える利便性が評価され、量り売りで一升瓶などに詰めるスタイルで販売していた。55年前後の食品衛生法改正などにより、取り扱いが困難になり、製造販売を中止したとみられる。
たれの素の製造に関する資料はなかったが、庄司代表は良子さんの記憶を頼りに味を再現。利便性や歴史を感じさせる商品に再び光を当てようと、復活させた。 庄司久仁蔵商店(山形市)が製造し、かつおだしと濃い口しょうゆを合わせ、こくのある味わいに仕上げた。庄司代表は「主張しすぎない味なので、料理や素材に深みを与えてくれる」と話す。ラベルは当時のデザインを再現した。 核家族化など現代の社会事情に合わせ、サイズは360ミリリットル(900円)、100ミリリットル(400円)の2種類。店頭や同店オンラインストアで扱う。問い合わせは同店023(664)5620。