【更年期の女性は骨粗しょう症の発症リスクが上がる?】骨密度を高めるために運動以外でできることは?米専門家が解説
骨のことを毎日考える人は少ないかもしれないけれど、骨は私たちの体を内側から支えるべく、昼夜を問わず静かに働いてくれている。 【動画】「骨」を強くしてくれるトレーニングのやり方 骨のためのレジスタンス運動をすると、骨が強くなるだけでなく筋肉の量も増えるので、骨格がいま以上に安定してくる。分泌学専門誌『Endocrinology』に掲載された2022年の論文によると、このような運動は更年期や高齢期に起こる骨量の低下を防ぐのに役立つため、そのライフステージにいる女性には特に有益。 この記事では、若いうちから骨の健康維持に取り組むことが大事な理由、骨密度の問題が起こりやすい人、骨格系をサポートするエクササイズの方法を各分野の専門家のコメントを交えながら見ていこう。 ※この記事はアメリカ版ウィメンズへルスからの翻訳をもとに、日本版ウィメンズヘルスが編集して掲載しています。
骨の健康が大事な理由
骨の健康・骨粗しょう症財団の2021年の報告書によると、米国では約5400万人が骨粗しょう症(重度の骨密度の低下)または骨減少症(中等度の骨密度の低下)を抱えており、そのリスクは年と共に高くなる。更年期の女性は、骨粗しょう症や骨減少症の発症リスクが特に高い。 米ニューヨーク大学ランゴンヘルスの整形外科医、スペンサー・ステイン医学博士によると、女性の骨密度は閉経後の最初の5年間で最大10%低下して、股関節や手首の脆弱性骨折のリスクを上昇させる。また、2024年に更新された豪ビクトリア州保健省の報告書によると、60歳以上の女性の2人に1人は骨粗しょう症による骨折を少なくとも1回は経験する。
運動以外にできること
骨密度を高めるためには、レジスタンス運動に加えて、適切な食事とサプリメントを摂取することも大切。アバシ医師は、1日に少なくとも1200mgのカルシウムと1000IUのビタミンDの摂取を勧める。マルチビタミンだけでは不十分。 米国の公的医療保険制度メディケアでは、65歳以上の女性と70歳以上の男性の骨密度検査が2年に1回カバーされる。でも、骨の健康・骨粗しょう症財団によると、骨折しやすい人の場合は50歳から骨密度検査が受けられる。 骨粗しょう症のリスクが高い人は2年ごとに骨密度の検査を受ける必要があるけれど、リスクが中程度~低い人は5~15年に1回で大丈夫。DXA(デキサ)法と呼ばれる骨密度検査では、体(通常は背骨から股関節まで)にX線を照射して骨密度を測定する。スキャンの間、10~20分仰向けに寝ているだけで痛みはない。最寄りの病院を訪れて、DXA法による検査が可能かどうか聞いてみよう。ただし、妊娠中の女性は骨密度測定(に限らず、あらゆるタイプの放射線)を避ける必要がある。