60代、70代が「老後に新たに不安に感じること」第1位は? コロナ禍で変化した価値観
「コロナで私たちの生活や価値観は大きく変化した」という内容のニュースを耳にすることは多いですし、実際、コロナ流行の前後で自分の意識の変化を感じている人も多いのではないでしょうか。 コロナ禍はすべての人に幅広く影響を及ぼしていますが、なかでも60代以上の人は新型コロナに罹患すると重症化しやすいと言われていることもあり、シニア世代は新型コロナによる影響を他の世代の人よりも色濃く受けている傾向にあります。実際に筆者の母親は60代ですが、外出から帰ってきた際の消毒の徹底ぶりは筆者の比ではありません。 そこで今回は、最新の調査結果を元に、コロナ禍を経てシニア世代の価値観がどのように変わったのかを見ていきたいと思います。
新型コロナの影響で老後に新たに不安を感じることは?
今年10月にメットライフ生命保険は、全国47都道府県の20歳~79歳までの男女を対象に実施した「老後」に関する調査の結果を公表しました。それによると「新型コロナの影響で老後に新たに不安を感じること」について、20代~50代の世代はいずれも「お金」がトップにきていますが、60代~70代では「健康」が41.2%でトップになっています。 20代~50代はいずれも2位が「健康」であり、60代~70代でも2位が「お金」であることから、新型コロナに起因する「健康」と「お金」に関する不安は根強いことがわかります。 ただ、20代~50代の世代での「お金」と「健康」のポイント差が10ポイント程度なのに対し、60代~70代世代での「健康」と「お金」のポイントは15ポイント程の差をつけていることから、いかにシニア世代が新型コロナによる健康への影響を懸念しているかが読み取れそうです。
老後に対する考え方や価値観は変化したか?
新型コロナの影響で老後に対する考え方や価値観が変化したかについても、60代~70代は34.2%が「変化があった」と回答しており、全世代で唯一3割を超えました。 考え方や価値観の変化の内容について、20代~50代はいずれも「貯蓄意識の高まり」が1位ですが、60代~70代では「健康への気遣い」が1位になっており、コロナ禍が意識変容だけでなく行動変容にまで影響を及ぼしていることがわかります。 60~70代の人が、いかに新型コロナウイルスの感染拡大を「自分事」として捉えているかがよく表れていると言えそうです。