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都市封鎖の77日間…営業続けた「イオン」が得た教訓 中国・武漢

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西日本新聞

 【北京・坂本信博】新型コロナウイルスの集団感染が世界で最初に起きた中国湖北省武漢市。1月23日から77日間に及んだ都市封鎖の期間中、営業を続けて市民生活を支えた日系商業施設の幹部がオンライン記者会見で当時を振り返り、事業継続計画(BCP)にも関わる教訓を語った。 【写真】「日本の常識は世界の非常識?」中国入国、客も職員も“白服”だらけ 【関連】武漢、公表半月前に異変 闇診療所に患者の列拡散か  会見は日本記者クラブが8日に開催。人口約1121万人の武漢市で総合スーパー5店舗を展開するイオン(湖北)の杜若(かきつばた)政彦総経理らが現地から出席した。  都市封鎖後、病院や一部の食品小売店を除いて市内の大半の企業が休業したが、イオンのスーパーは当局の要請もあり営業を継続。値上げする小売店もある中で「平常価格での商品提供と必要な商品の提供」をお客と従業員に宣言した。開店前は屋外に行列ができた。入店時に検温を実施。まとめ買いをする人が多かったが、買い物客は整然とレジに並んだという。  杜若氏は「1月中旬にイオン中国本社と協議し、(1)営業(2)資金(3)商品価格-の決定権限は現地が持つと決めていた。1月下旬に会社の定期預金を中途解約して現金を確保し、現金先払いでの仕入れや従業員給与の資金を確保できたことも奏功した」と振り返った。  中国内のグループ会社からチャーター便で商品を集めたほか、当局と交渉し、市外からの物流の許可を得た。2月に市民の外出禁止令が出た後は、野菜や日用品の宅配セットを配送した。  一時は感染リスクを恐れる従業員や家族に動揺が広がったが、従業員の健康管理と店内での防疫対策を徹底。杜若氏は「成功の鍵は週1回の定休日を設けたこと。従業員が心身を休めて買い物をする時間を確保したことで、従業員を大事にする職場という認識が広がった」と語る。従業員に感染者は出なかった。  3月の売り上げは前年の3割に落ちて赤字に陥ったものの、サービスや鮮度、価格が会員制交流サイト(SNS)で評判になり、4月の封鎖解除後は来店者が増加。売り上げも8月は前年同期並みに回復したという。杜若氏は「何をすべきか事前に決めておき、現場に任すのが危機管理の要諦」と力を込めた。

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