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企業支援のプロが指南!中小企業がWithコロナ時代を生き抜くために必要な助成金制度の活用法

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@DIME

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、注目度が高まる「助成金」。 助成金制度の理解促進と申請支援を行う助成金制度推進センターではこのほど、コロナ禍で経営にダメージを受けた中小企業を支援すべく、4月8日から助成金や資金調達に関する無料オンラインセミナーを実施した。 ※イメージやグラフなどの画像が削除されていない元記事は「@DIME」にてご覧になれます。 7,000社を超える中小企業がオンラインセミナー受講。迫られる資金繰り、不慣れな助成金申請 新型コロナ禍で世界的に経済活動が停滞し、全国の中小企業は資金繰りで深刻な悩みを抱えている。助成金制度推進センターにも多数の相談があり、「こんな時こそ、助成金。」と題した助成金活用セミナーと「こんな時こそ、資金繰り。」と題した資金調達セミナーを4月以降、それぞれ週1回のペースでウェブ会議システム「Zoom」で実施した。直近3ヶ月で7,000名以上が受講し、現在も多数の申し込みが続いている。 セミナーの需要が高い背景として、中小企業が助成金制度に不慣れである点が挙げられる。 今回、雇用調整助成金の新型コロナ特例措置が注目を集めたが、助成金は厚生労働省の所管だけで約60種類、地方自治体が独自に設けた制度を合わせると約2,000種類に達する。 しかし、これらを継続的に活用するのはほとんどが大企業で、大半の中小企業は申請すらしていなかった。 4月以降、同センターに飲食店事業者などから「雇用調整助成金はもらえるのか」という相談が多数寄せられたが、助成金について理解していない人が多く、大部分が条件には当てはまらないケースだった。 「雇用調整助成金」に振り回される中小企業/資金調達のチャンスなのに「借入=悪」という誤解 同センターは、中小企業関係者に対して、より良い経営が出来るよう、セミナーや個別の無料対象診断などを通じてさまざまな発信をしている。 休業した事業主を支援する「雇用調整助成金」の特例措置は国のPRや報道などで非常に関心が高まったが、事業者側の労力が大きい割にメリットが少ないなど問題点があり、同センターとしては勧めていない。 実際、支給要件の緩和や手続きの簡素化、8,330円から15,000円への日額上限の引き上げなど何度も改善が行われたものの、窓口への問い合わせ殺到や個人情報漏洩、支給の遅れなどトラブルや混乱が報じられた。 同センターによる事業者の個別診断では、他の助成金が適応するケースが多くあった。また、融資に関しては、「コロナショックだから資金を借りるのは大変ではないか」「借入は良くない」という考えは誤解であると伝えているという。 現在、この四半世紀で最も借入が優遇されている時期。「資金調達の大チャンス」と捉え、大企業と同じように中小企業も躊躇せず積極的な資金調達を行うべきだ。 第2波を想定し、年間を通した助成金申請や資金調達の準備を 同センターでは7,022社、計約92億9,700万円の助成金サポート実績がある。融資サポートは約80社、実行金額約19億円。新型コロナの第2波を乗り越えてもらうためにも、今後も中小企業のサポートを続けていくという。 同センターの藤田剛理事長は「withコロナで劇的に変わる社会で生き残るには、業態転換や販売方法の見直しなど新しい経営スタイルを取り入れていくことも必要となり、今のうちに資金調達を進めておくことが重要です。 第2波、第3波で再び活動自粛が求められた時に国の助成金制度や融資制度を慌てずに利用できるように、出勤簿や賃金台帳など労務整備をしておくことが大事です」と話している。 助成金制度支援センター藤田理事長インタビュー 助成金制度推進センター センター長兼理事長 藤田剛氏 2009年から助成金申請サポート事業に関わり、中小企業を中心に安全かつ有効的な活用のアドバイスを行う。創業当初、関西を中心にサービス展開を行っていた当センターの理念である「1社でも多く、正しく助成金制度を理解し、安心安全に、継続的に活用して頂く」ために、現在はサービスを全国展開でサポートできる環境を整えた。 ■新型コロナ特例「雇用調整助成金」に振り回された中小企業 緊急事態宣言が発令された4月以降、助成金制度推進センターには「雇用調整助成金」に関する問い合わせが多く集まりました。雇用調整助成金は平常時に申請されることは稀で、台風や地震などの災害時に特例措置が出され活用されていましたが、この度、国を挙げて新型コロナ特例がアピールされ、にわかに注目を集めました。 しかし、中小企業の多くには「休業して従業員に休業手当を払った場合」という基本条件すら周知されておらず、また相次ぐ変更が混乱を招きました。さらに社労士が申請に慣れていない、不正防止のため厳密な資料が求められたことなどが、事業者を苦しめました。 当センターにも、飲食店・ホテル・イベント事業者などから相談が多数寄せられましたが、4月時点では申請条件を満たすのは全体の1/30程でした。しかし実際に経営状態をヒアリングをすると、別の助成金が申請できるケースも多くみられました。 今回の雇用調整助成金は、オンライン申請のトラブル、申請殺到への予想の甘さ、人手不足による不慣れなスタッフの対応などから、更に支給が遅れる可能性があります。 安心して申請できる他の助成金にも目を向けてほしい、と考えています。 <雇用調整助成金コロナ特例の問題点> ●日額の上限が8330円で低かったため、差額が申請した企業の負担になっていた。 (→第2次補正予算で上限が15,000円に引き上げられて改善) ●申請が大変難しい。書類が多く、受給まで2~3カ月かかってしまう。今後も迅速な支給が見込めない。不正受給を防ぐため必要書類が多くなり、審査も厳密に行われる。2008年のリーマンショック後にも支給要件が大幅に緩和されたが、不正受給が相次いだ。 ●小さい会社が社会保険労務士に依頼すると、手数料が助成額を上回ることもあった。不支給の可能性や、不正があった場合の責任などから、社会保険労務士が「やりたくない仕事」と捉えることもある。申請に慣れていないという背景もある。 ●休業期間中の賃金を受け取れなかった中小企業の労働者が直接、休業支援金を申請する制度が第2次補正予算で創設されたが、これによって企業が休業手当を支払わなくなることが懸念される。また労働者の申請が殺到する可能性も。 ■積極的に資金調達を 資金調達に関するセミナーでは、世の中にある「借入は悪」という認識は大いなる誤解だと伝えています。今は利息が安く、借り入れしやすい千載一遇のチャンスです。この時期を逃す手はありません。 また、新型コロナの特別貸付を受けるために売上高を調整をしようと考えるかもしれませんが、それは本末転倒だということも伝えるようにしていました。 金利優遇や実質無利子化のメリットがあっても、本業の売上げを抑制して失う利益の方が格段に大きいです。正々堂々と資金調達するよう助言しています。 ■中小企業がwithコロナ時代を生き抜くには? 緊急事態宣言が解除され、徐々に通常の経営に戻りつつあります。しかし新型コロナの第2波第3波を想定した「withコロナ」を生き抜くには、これまでと同じマーケティング手法・販売チャネルではない新たな経営スタイルを取り入れていくことが必要だと考えます。 新業態への転換や販売方法の見直し、労使間の関係、副業の増加など、社会・経済が劇的に変わるなか、国の制度を活用して生産性の向上を行うなど、中小企業も変わらなければ生き残れないでしょう。 助成金の申請には、出勤簿、賃金台帳、雇用契約書、就業規則の4点が必須です。コロナ第2波を想定し、国の制度を活用できるように社内整備を進めておくことが大切です。それに加えて、今は銀行に体力があり政策的にも借入の制度が充実している絶好のタイミングです。今から融資など万全を期して進めておくとよいでしょう。 コロナ禍の中小企業事業者 インタビュー 株式会社イル・ヴリール 代表取締役 加藤和則氏 ■7年前から助成金を活用。新型コロナでエステサロンを休業するも「雇用調整助成金」に頼らず乗り切る 化粧品の製造販売とエステサロンの運営を手がける株式会社イル・ヴリール。同社は、7年前から助成金制度推進センターのサポートを受け、従業員のキャリアアップや介護休業のための厚生労働省の助成金、インターネット通販を拡充させるための経済産業省のIT導入補助金、カンボジアでの事業展開にあたり外務省の中小企業海外展開支援補助金などを活用してきた。 助成金は申請から入金するまで、おおむね1年近くかかる。今回のコロナ禍で都内3店舗のエステサロンが4.5月にわたって休業することになった。撤退を強いられた同業店舗も多いなか、イル・ヴリール社は、1年前に申請していた助成金の約200万円が入金されたことで、「雇用調整助成金」などに慌てて頼ることなく、東京都の休業要請に従いながら家賃や給与支払いを乗り切ることができた。 ■専門部署を持たない小規模事業者にとって助成金申請は大変。アウトソーシングすることで事業に専念 加藤和則社長は、センターのサポートを受ける以前にも、自身で助成金を申請したことがあったが、とても面倒な思いをしたそうだ。「書類の『てにをは』が違うだけでダメだし、ハローワークの窓口の担当者が代わると言うことも変わる」と振り返る。 センターのサポートを受けてからは、手続きがスムーズに進んでおり、大企業のように助成金の専門部署を持たない同社でも、専門家にアウトソーシングすることで、社長は事業の売上を上げることに専念できる。 これまで同社が受けた助成金は、従業員の健康診断やキャリアコンサルタントの活用などさまざまな種類がある。センターが助成金の対象診断を行い適用助成金を提案すると、自社で提案に沿った施策を実施し、指導に基づいて書類を作成して、申請窓口へ提出する。 助成金を活用することは、労務整備への意識が低かった中小企業にとって、就業規則を整備するなどの環境改善にもつながり、社員にとって良い循環をもたらしたと実感している。 ■中小企業こそ助成金の活用を!小規模事業者の実情を分かっていない「雇用調整助成金」への指摘も 加藤社長は「センターのサポートで助成金を受け、今まで面倒だと思って活用せずロスしていたと後悔した。毎年200万円程度の助成金・補助金を活用している。 大企業には専門の部署がある一方、助成金を本当に必要とする中小企業は従業員が少なくて使いにくい制度になっている。中小企業は助成金を活用すべきだ。 コロナを予期していたわけではないが、今回は助成金で助かった」とし、雇用調整助成金については「休業手当は企業が立て替えて先に従業員に支払う必要があり、助成金が入金する3~4か月先まで会社を維持できるのか。制度設計に問題があり、中小企業の87%を占める小規模事業者の実情を分かっていない。」と話している。 出典元:助成金制度推進センター https://sppo.jp 構成/こじへい

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