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コロナが露わにしたビッグ・データという幻想

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東洋経済オンライン

新型コロナは、すでに限界に近づいていた「グローバル化」の終焉をあらわにしたともいえる。ではグローバル化以後の世界はどうなっていくのか。 このたび『人口減少社会のデザイン』を上梓した広井良典氏が、前回に引き続き読み解いていく。 この記事の写真を見る ■パンデミックの歴史から見えるもの 前回は、私が昨年刊行した『人口減少社会のデザイン』での主張を踏まえつつ、「コロナ後の世界」の構想として、以下の4つの方向を提起した。 (1)「都市集中型」から「分散型システム」への転換 

(2)格差の是正と「持続可能な福祉社会」のビジョン (3)「ポスト・グローバル化」の世界の構想 (4)科学の基本コンセプトは「情報」から「生命」へ  このうち前半の(1)(2)について前回記事で述べた。続いてさらに、後半の(3)(4)の話題について考えてみよう。  まず前提的な確認となるが、今回の新型コロナウイルス(以下、単に「コロナ」等と略すことがある)のような感染症の爆発的な拡大、あるいはパンデミックは、決して今に始まったことではなく、さかのぼれば人類の歴史の中で繰り返し生じているという事実に目を向ける必要がある。

 感染症の流行はさかのぼれば人類の誕生とともに存在し、とりわけ農耕の開始ないし定住化や、多くの人々が集住する都市の発生以降から随所で起こっているが、今回のコロナをめぐる問題を考えるにあたり、やはり起点としてとらえるべきは14世紀ヨーロッパにおけるペストの大流行だろう。  古い時代の記録なので厳密な把握ではないが、このときヨーロッパ全体の人口の4分の1から3分の1、実数にして2000万人から3000万人程度が死亡したとされる。

 この場合、ペスト菌はチンギス・ハーン後のモンゴル軍のヨーロッパ遠征――ある種の‟グローバリゼーション”――を契機に中国方面からユーラシア大陸経由で伝わったとする説が有力である。そしてこのペスト大流行は、ヨーロッパの中世世界を揺るがし、やがて近世そして近代を準備する遠因となった。  その後の歴史を駆け足で追うと、続く16世紀にはヨーロッパで梅毒が大流行したが、これはコロンブスの一団がアメリカ大陸から持ち帰ったとされている。

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