<私の恩人>石田靖、迷いなくしてくれた先輩座長の言葉
吉本新喜劇で座長を務め、現在は朝日放送「探偵!ナイトスクープ」、テレビ東京系「開運!なんでも鑑定団」などに出演し、幅広く活動する石田靖さん(49)。12月6、7日には、大阪・なんばグランド花月で毎年恒例のイベント「石田笑店2014 石田家にサンタ参上!聖夜☆炎上!!」を開催します。新喜劇の枠を超えてタレントとして全国を駆け回る石田さんですが、根本にあるのは先輩座長・内場勝則さんから受け継がれた“新喜劇の極意”だと言います。 僕は、大学時代にオーディションを受けて吉本興業に入ったんです。ありがたいことに、当初から仕事に恵まれてレギュラー番組もいただき、会社から押されるがままに吉本新喜劇に入ることになりました。 でもね、今考えたら分かるんですけど、当時、新喜劇の方々はムチャクチャ腹が立ってたと思うんです、正直な話…。イチビリの大学生が何も分からずに入ってきて、ええポジションで舞台に立つ。普通に考えたら「何を素人が真ん中でやっとんねん」ですよ。その時に、一切何も言わず、全部フォローして笑いに変えてくれたのが内場勝則さんやったんです。何にも分からないながら、内場さんがすごいということだけはハッキリと分かりました。 さらに今から思うとですけど、内場さんって、全部見てはるんですよね。いつも楽屋ではジーッと本を読んでるんですけど、そうしながらも、若手にいたるまで楽屋の中にいる人間を全部見ている。そのやり取りなんかを見ながら“デキる”人間にはガンガンいって、まだ“デキない”人間は救ってやるということをされる。僕も、見事に救ってもらいました。 新喜劇の世代交代があって、今田耕司さん、東野幸治さんらが中心になった新喜劇を経て、お二人が東京に行ってからは、内場さん、辻本茂雄、僕らでやっていくことになった。 …ただね、僕は入った当初から、いわゆる二枚目みたいな役回りをやってたんです。新喜劇での二枚目というのは、別に男前で売るということではなく、要は分かりやすい特徴があるわけでもなく、そこから生まれるギャグなんかがあるわけでもないということ。だから、大きな笑いを直接的に生み出すのは、池乃めだかさんなり、島田珠代なり、山田花子なり、そういった人たちなんです。僕の役回りは、そういった人たちにパスを出して、シュートを打たせるということになるわけです。