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「障害者は稼がなくていい」と誰が決めた? 都内1位、つくりあげた「稼げる福祉施設」

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弁護士ドットコム

福祉の伝統「経済を重視すべきではない」に反発

●「お金が大切なんですか」同業者から反発も 福祉業界には「経済と福祉は相反するもの」「福祉施設は経済を重視すべきではない」という考えが根強くあるらしい。 「障害者が働いて収入を得るという話になると、必ず批判が出ます。同業者のなかにも、仕事よりお金が大切なんですかと私に言ってくる人がいます」 別の福祉施設で働く職員から相談を受けたことがある。この職員は利用者の工賃を上げたいと考え、今までの仕事を見直す必要があると先輩職員に意見した。しかし、先輩には全く受け入れてもらえなかった。 「ずっとやっている、利用者のためになる。そんなよくわからない理由で、古くからある仕事にしがみついている職員が少なくありません。昔からある安い作業でよくあるのが、小学生向けの漫画雑誌の付録を付けるものです。1件3円程度です。もっと良い仕事が他にいくらでもあります」 障害者の親の考えも様々だが、新堂さんは「子どもをくたびれるまで働かせるなと甘やかす親もいけないと思います」とハッキリ口にする。 もちろん、いろいろな意見があることもわかったうえで、今の立場にいる。 「高齢の人もいるし、施設に毎日通うことが大事という考えも理解できますよ。無理して働かなくてもいいと思います。 でも、障害があっても、仕事にめぐりあって、最大限に可能性を発揮できるチャンスは必要ではないでしょうか。ストレスなんて障害者とか関係なく、みんなありますよ。必要以上はよくありませんが、耐え切れるストレスに我慢しながら働くことって大事だと思うんです」 チャレンジャーでは、工賃の時給幅を600~900円に設定している。50にも及ぶ評価項目(作業能力25・作業態度20・体力5項目)によって、利用者の時給は50円、100円刻みでアップしていく。 時給アップをモチベーションとする利用者もいるし、仕事の楽しさや、仕事への正当な評価を重視する利用者もいる。「僕の給料はなんで○○さんより低いんだ」と言われたときに、根拠をもって説明する必要があるそうだ。 ●「企業や行政はもっと発注して」 チャレンジャーのように、働いて収入を得る体質を作った施設はまだまだ少数。「企業や行政が福祉施設にもっと仕事を発注してほしい」と新堂さんは話す。 新堂さんは、人の能力や障害は平等ではないが、機会は平等であるべきと訴える。 「能力に見合った仕事の提供などが受けられるような制度が必要ではないかと思います。また、そのためには、職員の人材育成、処遇の向上などがあわせて必要なのかと思います」

編集部 塚田賢慎

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