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「貧困対策の最も根幹部分」公営住宅の保証人廃止を 沖縄県司法書士会が会長声明

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琉球新報

 保証人を確保できないため公営住宅に入居できない問題を巡り、沖縄県司法書士会(中村敦会長)は17日、県や市町村は国交省の方針に沿って、公営住宅への入居に際した保証人確保を廃止すべきだとの会長声明を出した。国交省は18年3月に保証人確保を前提とするそれまでの方針を転換した。保証人不要に向けた条例改正の動きは全国で進むが、県内での条例改正は伊是名村にとどまり、その動きは鈍い。  政府は2016年に「住生活基本計画」を閣議決定した。同計画では、高齢者や子育て世帯、低額所得者などが安心して暮らせる住宅確保の環境の実現を掲げた。計画に向け、総務省が15年に実施した公営住宅を整備・管理する都道府県などへの調査では、保証人を確保できないために入居を辞退したケースが11都道府県で65件に上った。国土交通省が定めた「公営住宅管理標準条例(案)」に保証人を求める規定があることがその原因となっていた。  総務省の勧告を受け、国交省は18年3月、同条例案から保証人に関する規定を削除した。公営住宅への入居に際し保証人の確保を前提とする立場を転換し、各都道府県に「公営住宅の目的を踏まえると、保証人を確保できないために入居できないといった事態が生じないようにしていくことが必要だ」と通知した。  国交省の通知に沿った条例改正は全国で進んでいる。司法書士の安里長従さんによると、今年8月までに条例を全国で改正したのは、16都道府県と41市町村。県内では伊是名村にとどまっているが、那覇市議会などでは今後、審議が予定される。  「しんぐるまざぁず・ふぉーらむ沖縄」は昨年11月、県議会や県内の市町村議会に対し、公営住宅条例を改正し、公営住宅の入居に際して保証人を不要とするよう求める陳情を送付したが、採択されたのは与那原町のみという。  今回、県司法書士会会長声明には、こうした状況を前に進める狙いがある。中村会長は「高齢者やひとり親など保証人を確保できず入居できないという相談が増えている。全国で条例改正が進む中、沖縄は遅れている」と話す。会長声明では、公営住宅が「住宅セーフティーネット」の中核に位置付けられているとし、「貧困問題が最も深刻な沖縄県においては、貧困対策の最も根幹部分である住居の確保を促進する必要がある」と指摘した。  新型コロナウイルス感染症で生活困窮者が増加する中、公営住宅が人々の命を守る「生活セーフティーネット」としての本来の役割を果たすことができているのか、行政には再確認の必要性が問われていると言えそうだ。 (中村万里子)

琉球新報社

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