8割が初来日、モネやゴッホら「印象派の巨匠」至極の作品が大阪に
古代から現代まで約50万点もの文化財を所蔵する、イスラエルにある都市・エルサレムの「イスラエル博物館」から、珠玉の印象派コレクションが来日。『印象派 光の系譜』と題し、4月3日まで「あべのハルカス美術館」(大阪市阿倍野区)で開催されている。なんと69点の展示作品のうち約8割が初来日という、とてもレアで贅沢な機会だ。 【画像】東京会場で大きな話題となった、レッサー・ユリィの作品 本展の醍醐味は、モネ、ルノワール、セザンヌ、ゴッホ、ゴーガンといった巨匠の名品がたっぷり見られること。特にモネの『睡蓮の池』は、彼の当たり年と言われる1907年の作で、数ある『睡蓮』のなかでもトップクラスの出来を誇る。ゴッホの『プロヴァンスの収穫期』、ゴーガンの『ウパ ウパ(炎の踊り)』などほかの作品も見事で、至福の時を味わえるだろう。 同館の浅野秀剛館長がダークホースとして挙げたのは、19世紀末から20世紀初頭に活躍した、ユダヤ系ドイツ人画家、レッサー・ユリィ。彼は日本ではほとんど知られていないが、先行開催された東京会場で大きな話題となり、ポストカードなどのグッズが完売した。『夜のポツダム広場』など4作品が展示されているので、必ずチェックしてほしい。 また、本展では6点の作品が写真撮影可能となっている。これほど多くの作品が撮影できるのは珍しく、しかもその作品は、モネ、ゴッホ、ゴーガン、ルノワール、ユリィ(2点)と、主役級の逸品ばかりだ。絵画鑑賞をたっぷり満喫した後は、名画との記念撮影をお忘れなく。 取材・文/小吹隆文(美術ライター)