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TikTokグローバルCEOの辞任劇 米国事業の売却案件で創業者と意見対立か

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36Kr Japan

世界中でヒットした中国発の短編動画アプリ「TikTok」について、グローバルCEOのケビン・メイヤー氏が辞職を発表した。英フィナンシャル・タイムズが26日付で報じた。報道では関係者からの情報を引用し、米トランプ大統領が今月14日付でTikTokの米国事業を90日以内に親会社のバイトダンス(字節跳動科技)から分離あるいは売却するよう強く求めたことが同氏の決意を固めたとしている。 メイヤー氏は社員に宛てた書簡の中で、「過去数週間にわたりマクロ環境が激変し、企業構造の変化が予期される中、自身の職務も影響を受けることについて深く考えた末、辞職を決めた」と述べている。同氏がTikTokのグローバル事業を統括する責任者として正式に着任してわずか87日目のことだった。バイトダンス側も報道について事実と認め、「メイヤー氏の決断を尊重し、TikTokのために尽力してくれたことに感謝する」と声明を出している。 メイヤー氏の後任には暫定CEOとしてTikTok米国法人のバネッサ・パパスGMが就く。 メイヤー氏がTikTokのグローバルCEOおよび親会社バイトダンスのCOOに就任したのは6月1日のことで、TikTok以外にもインド向けのSNSアプリ「Helo」や音楽事業、ゲーム事業を担当、バイトダンスのグローバル事業の一部も担当していた。TikTok以前は米エンターテイメント大手ウォルト・ディズニーのエグゼクティブVPおよびCSOで、「ディズニーの次のCEO」と目されていた。同社時代にストリーミングメディアを統括した経験からTikTokに抜擢され、米政権側がTikTokに対して抱く安全保障上の懸念を払拭することも期待されていた。 同氏は先月29日付の公開文書で米フェイスブックを批判する声明を発表。TikTokを米国市場から締め出すためにフェイスブックがTikTokのサービスを模倣し、また貶めようとしていると綴った。 今月に入ると米政府がTikTokに対する圧力を強めた。トランプ政権はTikTokに対し二回にわたり大統領令を発令。米国事業の売却か、米国内での運営停止かの二択を迫った。関係者によると、これに伴って、TikTokおよびバイトダンスにおけるメイヤー氏の存在感も薄れていった。替わって、前出のパパス氏が発言権を強めていったという。 36Krが関係者に取材したところ、メイヤー氏とバイトダンス創業者の張一鳴氏はTikTok米国事業の売却案件について意見が対立していたという。この関係者の証言では、メイヤー氏は事態の収束を図るために米政府の行政命令に速やかに従うべきだとして米国事業を売却するよう主張したが、張氏はTikTokのグローバル事業推進の方向性を貫きたい考えがあったようだ。 「メイヤー氏はこれ以上の引き延ばし戦略には同意できず、解決を急ぐために米政府との和解を目指していた。米国事業、ひいてはグローバル事業を切り離すことでTikTokの運営禁止措置を免れようとの意見だった」。上記の関係者はそう述べている。一部情報によると、メイヤー氏は自身の案を最善と考え、張氏の同意を得ることなくバイトダンスの米国の株主に接触して米国事業の切り離しを進めようとした。 TikTokは最終的にどこへ向かうのか。米大統領令では三つの転換点が示されている。まずは9月15日。この日までに米国企業との売却交渉がまとまらなければTikTokは米国内で運営停止となる。次に9月20日、米国司法が管轄するあらゆる個人および企業はバイトダンスとその子会社といかなる取引も行えなくなる。最後に11月15日、バイトダンスはこの日までにTikTok米国事業の売却を完了しなければならない。(翻訳・愛玉)

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