[取材ノート] 企業の挑戦取り上げたい / 名古屋
「アパレル業界に、ウールの必要性を問いたい」―。先日取材した繊維業界の展示会で、毛織物産地・尾州の経営者がこう訴えた。羊毛業界の企業や団体が、ウールのサステナビリティ(持続可能性)を訴求する全国的な委員会を立ち上げ、尾州企業の参加もある。着心地の良さや機能性をあわせ持ちながら、生分解される環境重視の素材としてウールの魅力をファッション業界に発信していく。 コロナ禍のテレワークの普及も相まって、業界では「スーツ(市場)は確実に縮小する」との見方が共通している。コロナ緊急融資の期限を迎えれば、会社を畳む決断をする経営者も増えるだろう。分業制をとる産地では小さな企業でもなくなれば、生地の供給が途絶える恐れがある。 新型コロナウイルス禍の2020年初夏から繊維企業を取材させていただいている。大きな環境変化のただ中、企業のどんな挑戦や変化も取り上げていきたい。 ■黒川鈴子 4月から繊維と自動車担当になった。電気自動車の試乗会では思いがけず名古屋駅前のロータリー走行を初めて経験することに。恐る恐るだったが、ぐるりと通過。小さな達成感を味わった。