元テレ東の赤平アナ、発達障害の息子を塾なしで名門・麻布中学に合格させた“メソッド”を語る
発達障害の長男が、わずか2か月の受験勉強で難関中学に合格。その秘訣は、経営学を学んでいたことと、息子へのたゆまぬ愛情だった。こう語るのは、元テレビ東京アナウンサーの赤平大さん。他者理解にもなる、発達障害の人とのベストなコミュニケーションの取り方とは? 経験者の見地から語ってもらった。 【写真】発達障害の息子を麻布中学に合格させたメソッドを綴った著書
「息子を理解しようと必死でした」
本業である声の仕事をする傍ら、発達障害の動画メディア『インクルボックス』を運営するなど、発達障害に理解ある社会をつくるために精力的に活動しているのが、元テレビ東京のアナウンサーの赤平大さんだ。 活動のきっかけは、息子さんに発達障害があることだった。発達障害がある人は、総じて生きづらさを抱えやすい。息子さんも成長するにつれて、生活の中でさまざまな困難に直面するように。 そこで赤平さんは、発達障害に関して猛勉強し、息子さんが自立した生活を送れるよう全面的にサポート。勉強面でも塾に通うことができなかったため、本人の特性に合わせて努力を重ねた。 息子さんは早くから発達障害に理解のある中学進学への準備をしていたが、小学6年の12月に急きょ、東京の難関中学である麻布中学の受験を決意し合格。 その経験をもとに、このたび初の著書『たった3つのMBA戦略を使ったら発達障害の息子が麻布中学に合格した話。』(飛鳥新社)を上梓した。 そんな赤平さんに、本を通して伝えたかったこと、発達障害に対する思いなどを聞いた。 テレ東を退社後、MBA(経営学修士)取得を目指し、ビジネススクールに通っていた赤平さん。息子さんの発達障害がわかったのは、ちょうどそのころだった。 「MBAの勉強と並行して、発達障害の勉強も始めました。あたった論文は500本以上。息子を理解しようと必死でしたし、いまも必死に勉強しています」(赤平さん、以下同) 勉強していくうちに、赤平さんはあることに気づく。MBAで学んだ経営学が、発達障害支援にも応用が可能であるということだ。 「例えば、息子のようなタイプの発達障害の教育では、『早修』と『拡充』が重要だといわれています。簡単に言うと、先取り学習と、習い事など学校外での学習。これは、経営学でいうところの『両利きの経営』とよく似ているんです。近年、世界的に支持されている経営の戦略論が、発達障害の息子をサポートするヒントになりました」