2021年に宮澤ミシェルが期待する東京五輪世代の選手【第1回:高嶺朋樹】「遠藤航とポジションを争えるほどの能力を秘めていると思う」
サッカー解説者・宮澤ミシェル氏の連載コラム『フットボールグルマン』第182回。 現役時代、Jリーグ創設期にジェフ市原(現在のジェフ千葉)でプレー、日本代表に招集されるなど日本サッカーの発展をつぶさに見てきた生き証人がこれまで経験したこと、現地で取材してきたインパクト大のエピソードを踏まえ、独自視点でサッカーシーンを語る――。 今回からは特別編をお届け。宮澤ミシェルが注目する東京五輪世代のサッカー選手を紹介するぞ! 第1回目は、コンサドーレ札幌に所属するMF・高嶺朋樹(たかみね・ともき)。そのポテンシャルを宮澤ミシェルは高く評価しているという。 ***** 明けましておめでとうございます!! まだまだ難しい状況にあるけれど、元旦の天皇杯サッカー決勝戦や、全国高校サッカーがあるお正月を迎えることができたね。これまで当たり前だと思っていたことが、行なわれている奇跡。このことに感謝しながら、これからも感染拡大防止にしっかり頑張って、健康に一年を邁進してまいりましょう! 今年は延期になっている東京五輪がある。日本サッカー界としてはここでメダルを獲得し、日本中の目をサッカーに全集中させて来年のカタールW杯へと繋げていきたいよね。 そして東京五輪世代が日本代表を突き上げて、さらなるレベルアップをしてカタールW杯での成功につなげてもらいたい。それができるタレントが東京五輪世代には揃っているだけに、ボクの注目しているU-23世代の選手をピックアップして紹介していくよ。 いの一番に取り上げる選手は、筑波大からコンサドーレ札幌に進んだ高嶺朋樹。筑波大出身のルーキーといえば三笘薫(川崎F)だよね。去年のJリーグでのインパクトは大きくて、新人最多記録に並ぶ13ゴールを奪ってベストイレブンにも選ばれたけど、高嶺だって負けてはいなかったよ。 昨シーズンはペトロヴィッチ監督の3-4-2-1のシステムで、中盤のボランチとして30試合に出場してレギュラー格になった。身長は177cmと思えないくらいピッチでは大きく見えるんだよね。彼の深めた自信の大きさが、そう見せているのかもしれないね。 高嶺の何がいいって、最大の武器は左利きだってことだよね。そこから蹴り出されるロングパスやミドルパスの精度が、また素晴らしいんだよ。 チームに左利きの選手が2~3人いると、ピッチ幅をワイドに使える。しかもパス精度が高いから相手が前線や中盤からプレッシャーをかけにくくなる。 日本代表の左利きの選手でボランチができる選手となると、中山雄太(ズウォレ)がいるだけ。しかも、いまは左SBとしての起用がメインになっている。ここに高嶺が加わっていくことができれば、日本代表の層は格段に厚くなっていくよね。