「自動車ビジネスが崩壊」豊田社長の苦言にひろゆき氏「“エネルギーとエコにはハイブリットだ”と世界に喧伝するべきでは」
一方、2ちゃんねる創設者のひろゆき氏は、EV化は自動車メーカーではなく政府の問題だと指摘。「なぜヨーロッパで電気自動車が普及したかというと、政府のお金で街中に電気スタンドをガンガン作ったから。街中で充電できたり、駐車場代わりに電気スタンドがあったりするなど、インフラを作ったから電気自動車が売れた。でも日本はいまだに政府がそういうものを作っていない。いくらトヨタが頑張って電気自動車を作っても、街中で充電できない不便な物を誰も買わないよねとなってしまう」と述べた。 また、ビジネスモデルが崩壊してしまうという豊田社長の苦言に関して井上氏は、「EVになると部品点数が減るのかというと、減ると思う。例えば、マフラーやエンジンの動力を伝えるような部品、燃料ポンプもいらなくなる。ただ、EVになると見えないような形でソフトウェアがかなり増える。豊田社長が一番警戒しているのは、実はEVのスマホ化だ。テスラの車と今出ているEVは、中を剥いでいくとソフトウェアの構造が全然違う。テスラの車はスマホで、ソフトウェアをアップデートすることで車に付加価値(をつけ)、ハードが古くなっても車は古くならないというビジネスモデルだ。トヨタや他のメーカーがやっているEVは似て非なるもの。だからトヨタはそういうところをものすごく警戒していると思う」との考えを示した。
テスラに関しては、今年7月1日に時価総額が約22兆6000億円とトヨタ自動車(約21兆7185億円)を上回り、7月13日には日本上場メーカー9社の合計34兆4705億円を上回った。年間の販売台数は、テスラが37万台、トヨタが1000万台という規模の違いがありながら、マーケットから大きな評価を受けている。 井上氏は「世界的なEV化の推進、二酸化炭素の削減というのは投資家側からの圧力もある。いわゆるESG投資ということで、『環境問題に取り組まないと投資対象から外れますよ』というようなことが言われている」とした上で、「実は今回、菅総理にEV化への推進を助言したのは、年金積立金管理運用独立行政法人の最高投資責任者だった水野さんという方だ。水野さんが『グリーンをやらないと日本は投資対象から外れますよ』というようなことを総理にアドバイスしたと言われている。しかし、水野さんはテスラの取締役をやっている。そこが若干、客観的な意見だったのかなということで、多分豊田社長はそういうところにも苛立っているのではないのかなと私はみている」との見方を示す。