ドイツのショルツ首相、16日に信任投票-2月総選挙実施に道筋
(ブルームバーグ): ドイツのショルツ首相は11日、自身に対する信任投票を16日に行うよう連邦議会(下院)に要請した。これにより、来年2月下旬の総選挙実施に道が開かれる。
2021年後半から欧州一の経済大国ドイツのかじ取りを担ってきたショルツ氏は、憲法の規定を利用し、任期満了よりも7カ月早い来年2月23日に選挙を実施しようとしている。信任投票の仕組みが発動されるのは、第二次世界大戦後では6度目。
ショルツ氏は11月、予算を巡って国の新規借り入れ制限で対立した自由民主党(FDP)のリントナー財務相を解任し、3党による連立政権を解消した。首相が所属する社会民主党(SPD)は、下院で過半数議席を持たない。
次期首相は、3年に達しようとしているロシアのウクライナ侵攻、中東の混乱、ホワイトハウスに戻ってくるトランプ次期米大統領に向き合うことになる。技術に優れ、環境にやさしい経済への移行や、国防能力強化に必要な巨額の資金を確保する必要もある。
また、ショルツ氏の連立崩壊の事実上の原因となった、政府がどの程度の借り入れを許されるかという問題が、非正規移民やドイツの経済問題と並んで選挙戦の主な争点となりそうだ。
政党別支持率調査で3位と低迷するSPDのショルツ氏は、有権者にとって、ドイツが直面する「大きな問題」にどう対処するかを決める機会になると述べた。同氏は11日、ベルリンで「私たちは強力な国家として、未来に積極的に投資することを信頼しているだろうか」と訴えかけた。
ブルームバーグの最新の世論調査平均によると、選挙まで2カ月余りとなった現時点で、メルツ氏が率いるキリスト教民主同盟・社会同盟(CDU・CSU)が約31%でトップ、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が約18%で2位、SPDが17%で3位につけている。
世論調査機関フォルサが10日に発表した、次期首相を選べるとすれば誰に投票するかの調査では、CDU党首のメルツ氏が26%と首位だったが、前月からは8ポイント支持率を落とした。緑の党代表のハーベック経済相が25%と続き、ショルツ氏は前回から5ポイント増の18%だった。