お酒で肝臓に負担をかけすぎると起こること
いつも以上のビールやシャンパン、カクテルで、体内で最も働き屋さんの臓器が調子を崩すと何が起こる?今回はイギリス版ウィメンズヘルスより、肝臓に負担をかけすぎたらどうなるのかを解説。 【写真】酒好きエディターがやめてみた!「お酒断ち」2か月後の変化
一晩で大惨事になることはない
一晩飲みすぎたくらいなら、肝臓は大丈夫。 「肝臓は体内の化学工場として、腸から吸収された物を分解し、タンパク質、脂質、糖質に変換します」と話すのは、アルコール依存症を防ぐ英国の慈善団体『アルコールヘルス・アライアンス』の会長で肝臓学者のイアン・ギルモア教授。 でも「これは、アルコールが小腸から入ってくると、肝臓が防御の最前線に立たされることを意味します。たくさん飲んだそのときは何とかなっても、永遠に何とかなるわけではありません」という。
何度もダメージを与えれば大惨事になることも
肝臓が大量のアルコールを分解すると、その過程で産生される化学物質が肝臓の脂肪分解能力を妨げるため、脂肪が蓄積してしまうという。 「肝臓に最も多い問題は、脂肪の蓄積による脂肪肝です。脂肪肝は約20%の確率で炎症を引き起こし、肝細胞を死滅させます。そのあとに残るのは瘢痕(はんこん)組織で、これが増えすぎると、長期的なダメージにより肝臓が故障する肝硬変に発展します」とギルモア教授。
1週間に2日は肝臓を休ませる
ビール腹も肝臓にダメージを与えるそう。 「アルコールは1gで約7kcalですが、このカロリーには何の栄養も含まれていません。実際のところ、アルコールは肥満の大きな要因です」とギルモア教授。 「同様に、太りすぎでアルコールを乱用する人も前述の肝疾患にかかりやすくなります」 週に2日は肝臓を休ませて。
一部の食べ物が肝臓を狂わせることもある
肝臓を傷つけるのはアルコールだけじゃないようだ。 よくある食品(飽和脂肪、精製炭水化物、赤身肉など)で体重が増えると、非アルコール性脂肪肝になりかねない。「このタイプの脂肪蓄積は、アルコールによる脂肪蓄積と同じように肝臓を傷つけ、炎症と瘢痕を引き起こし、肝硬変を招きます」とギルモア教授。 英国民の3人に1人は早期の非アルコール性脂肪肝と言われている。ホットドッグを一年中食べるのはやめておこう。
一時的な禁酒でダメージを修復する
肝臓が疲れていると思うなら、お酒を一時的に断とう。ギルモア教授いわく1カ月も禁酒をすれば炎症が緩和するという。フィットネス、栄養管理、余分な体重を減らすことに注力すれば、肝臓も元気を取り戻す。 2016年の研究では、肥満の人が体重を3~6%減らしたところ、肝脂肪が35~40%減るという結果になった。イスラエルの調査により、レジスタンストレーニングが肝脂肪を減らすことも分かっているので、ウエイトリフティングも効果的。 高額なデトックスサプリメントは絶対に不要。 ※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。