球磨川沿いにたたずむ老舗宿・鶴之湯旅館が約2メートルのかさ上げ 再開後には国の有形文化財の登録目指す 木造3階建ての旅館が一時最大3メートル上に
球磨川流域では治水対策として、かさ上げ工事が行われている。八代市坂本町の球磨川沿いにたたずむ、老舗宿・鶴之湯旅館の再開に向かう姿を追った。 【画像】一時最大約3メートル上がった鶴之湯旅館
球磨川沿いの老舗宿がかさ上げ工事
八代市坂本町では、現在球磨川の治水対策として国の工事の一環で、かさ上げが進んでいる。 球磨川沿いにたたずむ老舗宿・鶴之湯旅館の4代目・土山大典さんは「年明けから瓦を乗せる作業が始まります」と、工事が進む旅館を見ながら話をしてくれた。 鶴之湯旅館は1954年(昭和29)創業で、2016年に土山さんが引き継ぎ、趣のあるたたずまいの宿と、球磨川の豊かな自然を楽しめることから、県内外からの多くのリピーターがいる。 しかし、2020年7月豪雨で被災。多くの支援を受けて豪雨から1年4カ月後には、営業を再開したが、かさ上げ工事に伴い現在は休業している。 2024年7月には、かさ上げに向けて木造3階建ての旅館をジャッキを使って1日で30センチほど、ゆっくりと上げていた。
木造3階建てが一時最大3メートル上に
途中、台風や大雨など多くの心配ごとがあったが、10月には建物が約3メートルほど上がり、基礎のコンクリートを打ち込むスペースができていた。 土山さんは「かさ上げしているときは不安定な所にあるので、建物に何かあったらと心配していたが、少し安心した」と話す。 12月25日には基礎も出来上がり、旅館部分は約2メートルのかさ上げが完了。年明けから外していた瓦をふき直し、土壁を張るなどの内装工事に取り掛かる予定だ。 土山さんは「一人でも多くの人に愛していただける旅館を目指して頑張っていきたい」と話し、2025年中の営業再開を予定していて、建物の国の有形文化財への登録も目指している。 (テレビ熊本)
テレビ熊本