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忙殺、罵声 涙の配達員 「コロナ運ぶな」除菌スプレーかけられた

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北海道新聞

 新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛が広がる中、インターネット通販などの荷物を運ぶ配達業者が多忙を極めている。既に1年で最も忙しい12月を上回る仕事が入り、休み返上で働く従業員も多い。新型ウイルスの感染を危惧する注文主から、過剰な警戒や心ない対応をされる配達員も増え、関係者は「物流は社会にとって重要な仕事。どうか理解してほしい」と訴える。 【動画】エビやタコもドライブスルー販売

配達時間の希望多く

 「大型連休が終われば少しは楽になるかと思ったけど、忙しさは変わらないどころか、配達時間の希望が多く対応しきれない」。大手運送会社の札幌市内の店舗でドライバーを務める男性(44)は通常の倍の1日160件近い配達をこなし、5月に入って休日は1日のみ。同じ支店の20人近い他のドライバーもほぼ全員毎日出勤する。「以前は配達の途中でコンビニに寄って昼食も買えた。今は出勤前に買わないと、食べられないことも多い」と嘆く。

ストレスの矛先に

 配送量が増えたことに加え、感染予防のため出社する社員の人数を減らすなどの対策を取った結果、荷物が指定した日付や時間帯に届かないケースもある。  大手運送会社の札幌市内の営業所に勤めるパート女性(55)は「3月半ばごろから苦情や問い合わせが急増した」と漏らす。新型ウイルス感染拡大でストレスを抱えるせいか、客に「待たせやがって」「なんで時間を守れないんだ」などと怒鳴られることも多いという。

 感染拡大の不安は、配達員にも向けられている。  「ウイルスを家に持ち込まないで」。大手会社の下請けとして札幌市内の荷物を配送する男性(38)は、ここ1カ月間で、何度か客にこう言われた。配送方法に玄関での受け渡しを指定しながら、玄関のドアを開けた客に「ちゃんと消毒してるのか」と、いきなり除菌スプレーのようなものを吹き掛けられたこともあった。「なんでこんな目に、と悔しかった」。ドアの隙間から奪い取るように受け取り、サインせずにドアを閉める客もいた。  毎朝の検温や消毒、マスク着用の徹底など最大限の予防策を取る。「外出できず、困っている人のためにと思って頑張っているが、心が折れそうになることもある」と漏らした。

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