トランプ、自身の元「弁護団」のパム・ボンディを司法長官に指名
ドナルド・トランプ次期大統領は11月21日、元フロリダ州司法長官のパム・ボンディを司法長官に指名すると発表した。トランプは当初、フロリダ州のマット・ゲイツ前下院議員の起用を発表していたが、ゲイツをめぐっては未成年との性行為や性的人身売買、薬物使用などのさまざまな疑惑が浮上した。その結果、ゲイツは21日になって指名を辞退していた。 トランプは、現在59歳のボンディが司法省をその本来の目的である犯罪との戦いに向けて立て直し、「アメリカを再び安全にする」と声明で述べた。 ボンディは、18年以上にわたり検察官として勤務し、2011年から2019年にかけてフロリダ州の司法長官を務めていた。また、トランプが2021年1月6日の連邦議会襲撃を扇動したとされた弾劾裁判では、トランプの法律顧問と弁護人を務めていた。 ボンディはまた、2020年の大統領選の選挙結果を否定した人物として知られ、ペンシルベニア州でトランプが勝利したと主張したが、実際には約8万1000票差でバイデン大統領に敗れていた。ニューヨーク・タイムズによると、彼女は選挙後の投票関連の訴訟を監督していた。 元フロリダ州司法長官のボンディは、自身がトランプが絡む詐欺疑惑に対する法的措置をとらなかったこととの関連を指摘された2万5000ドル(約390万円)の寄付を、トランプ財団から受けていたことを非難された。しかし、彼女はこの寄付と自身の決定との関連を否定し、2017年に行われた贈収賄の調査で起訴を免れた。 また、ボンディは第1次トランプ政権下で短期間存在したオピオイドなどの薬物乱用問題を扱う委員会に所属し、今年のトランプの選挙戦の後半ではいくつかの集会でスピーチを行った。 21日夜に発表されたボンディの指名は予想外の動きと受け止められた。関係筋は、マット・ゲイツの辞退を受けて、テキサス州の司法長官であるケン・パクストンやミズーリ州の司法長官であるアンドリュー・ベイリー、トランプの弁護士のトッド・ブランシェなどを有力候補に挙げていた。 トランプは過去2週間で、多くの閣僚を指名しており、国土安全保障省や国防総省などの主要な機関に自身の仲間や忠実な支持者を配置している。その最初の1つが司法長官のポストにゲイツを指名したことだったが、この元議員は、未成年者との性的関係や買春の疑惑で厳しい調査を受けていた。 下院の倫理委員会は昨年からこの疑惑を調査しており、詳細を発表する予定だったが、ゲイツは議員を辞職したことで調査対象外となった。21日にさらなる注目を集めたゲイツは指名を辞退し、ボンディが司法長官のポストに指名される道が開けた。
Antonio Pequeño IV