長野県松本市の学校給食 私立の希望校に提供へ
長野県松本市は12日、市内の私立小中学校に市学校給食センターで調理した給食を提供する方針を市議会経済文教委員協議会に示し、了承された。学校給食を、生涯を通じた食生活の基礎となる大切な教育活動の一つと位置付け、公私立問わず松本市で学ぶ児童生徒に食育の機会を広げる。市内には私立・国立の小中学校が5校あり、申し入れがあった場合は経費を負担してもらった上で提供する。 四賀地区のインターナショナルスクールオブ長野(ISN)五常小学部と五常中学部から提供の要望があり、四賀学校給食センターの稼働状況にゆとりがあることから対応が可能と判断した。提供食数は76食(児童64食、生徒2食、教職員10食)で、学校側は食材費や人件費など総額年1300万円を負担する。1食当たり750円を見込み、来年4月からの提供を予定する。 市学校教育課によると、ISNは現在、民間の事業者から給食の提供を受けているが、保護者から地元の食材を多く使い栄養バランスに優れた学校給食を望む声があった。2月にISNから給食提供の可否について問い合わせがあり、検討を重ねていた。 市立とISN以外の4校のうち、3校が給食の提供を積極的に検討しているという。同課は、西部(野溝西3)と東部の各学校給食センター(原)の稼働状況にゆとりがあることから、対応は可能としている。 市町村が運営する学校給食センターが私立小中学校へ給食を提供するのは、長野市に次いで県内2例目となる。松本市の伊佐治裕子教育長は「松本市で学ぶ子供たちに等しく食の大切さを伝えることを重視したい」と話し、臥雲義尚市長は12日の定例記者会見で「果物や野菜のデパートと言われる松本平の食材をできるだけ提供し、質の高い給食を子供たちに提供することを目指す」と食育への思いを語った。
市民タイムス