タンパク質不足だと、うつや病気になりやすくなる?心にも免疫にも関係する「タンパク質の働き」
タンパク質に異常が起こるとがんなど重大な病気に
タンパク質に異常が起こると、重篤な病気を招く場合もある。 「タンパク質の異常が原因で起こる病気のひとつが、がんです。がんは細胞分裂を促す遺伝子、もしくは分裂を抑制する遺伝子が傷つき、分裂が暴走して発症するといわれています。 このとき、遺伝子の命令で実際に機能するのはタンパク質で、細胞分裂を促すタンパク質、もしくは抑制するタンパク質の異常が直接の原因です。 そのほか、アルツハイマー病や筋ジストロフィーなどの病気も、タンパク質の異常が原因で起こることがわかっています」 40代以降は特にあなどることができないタンパク質不足…。次回以降、さらなるタンパク質の働きや体でちゃんと働かせるとり方についてご紹介していこう。 今回の話を伺った先生 上西一弘さん 女子栄養大学栄養学部教授。大学のゼミでは選手のパフォーマンスが上がり、勝てる体をつくるためのスポーツ栄養学を研究し、指導にあたる。著書に『新しいタンパク質の教科書 健康な心と体をつくる栄養の基本』(池田書店)など イラスト/二階堂ちはる 取材・原文/和田美穂