イチロー決断の理由。日本復帰の選択肢もあった?
メジャー通算3000本という大記録にも残り156本と迫っている。 記録は、日本復帰ではなくメジャーにこだわった理由のひとつであることは間違いない。その記録について聞かれたイチローは「数字は、もちろん大切なものです。これがなくては現役を続けることはできないと思っています。だが、それがすべてではないということは、はっきりと言えます。もちろん、チャンピオンになること、節目の数字をクリアすることは、大事なことでありますが、その目標があるからというだけで、プレーを続けるわけではありません。人は、そういうわかりやすい数字や目標を求める傾向にあります。それは自由であっていい。人の口に戸をたてられずという言葉もあります。現代は、いろんな情報が視覚化されて入ってきます。それを抑えることはできないし、人がどう思うかは自由です。だが、僕自身は、それが、すべてではありません」と、「記録のためのメジャー執着だ」と、歪曲して報道されることへ先手を打った。 地元メディアは、2015年の試合出場を「40打席ほど」と予測しているものもあるが、イチローは、その位置に甘んじるつもりはない。 レギュラー奪取へ向けて話をふられると、「それはまだ。今は1月の終わりだから。この先にとっておけば、その質問は」と遮った。それこそがイチロープライドだろう。 「(マーリンズ入団の決断は)そんなに重いものじゃなかった。こんなことは若いうちにしかできない。これは行くべきだと思いました。若いというのは、野球選手というのではなく平均寿命まで、まだ39歳くらいあるという観点ですよ。そういうものに向かっていかないと哲学も生まれていかない」 41歳。イチローのメジャー15年目のシーズンが、ここ日本から始まった。